どうも、ありつむぎです。
今回は、人を容易に殺す能力を持つ危険な物体系SCPを取り上げていきます。どれも投稿者のおすすめのSCPです。
一部過激な表現が含まれているため、苦手な方はご注意ください。それと怖いかもしれません。
また、文中ではSCPの専門用語を使っているので、分からない用語などは各自調べた上で読み進めてください。
SCP-1307 人間削り
最初に紹介するのは、SCP-1307 人間削りです。鉛筆ではなく人間を削ります。この時点で面白いですね。
SCP-1307は、オブジェクトクラスsafeに分類されている、アメリカコロラド州の小学校で回収された、一見何の変哲も特徴もない真っ黒な電動の鉛筆削りです。
電気コードは付いているそうですが、実はこれをプラグに差し込もうがそうでなかろうが、一定の条件を満たせば、この鉛筆削りはいつでもどこでも変わりなく起動します。
では、どういった効果をもたらすのか?
これは非常に単純で、穴にぶち込んだ鉛筆やシャーペンなどの、条件を満たした物体をガリガリゴリゴリと削るというもの。ただし、鉛筆状に整えた金属製の物体や、特定の企業から販売されているペンには一切反応しません。
さて、前述の条件を満たした物体をぶち込んだ後、この鉛筆削りはガタガタと音を立てて削り続けるのですが、この時物体を握っている手は、鉛筆削りが持つ未知の力によって物体から離すことが出来なくなります。
対象となった人がいくら力を込めて手を放そうとしても、横でその様子を見ている人が手を貸そうとも、物体を握る手は微塵も解消されません。
物体もまた、鉛筆削りの未知の力によって、信じられないほどの圧倒的な耐久力を取得するため、誰が何をしようが破壊は不可能です。
この状態から解放される方法は、手を切断することのみ。
ですが、片腕が惜しいからと言ってそのままでいるとどうなるのか?
もちろん、ただ怪我をするだけではありません。少しばかり皮膚が削れて血が噴き出る程度で済むのであれば、この記事ではまず取り上げていません。
この鉛筆削りは、自身の穴に物体を引き込み続け、持ち手の距離が近くなった時、なんと、自身の穴を一時的に大幅に拡大し、手を物体と同様に削るために引き込むのです。
穴に引き込まれた手は、使用中の鉛筆のように鋭くとがると、そのまま見るも無残に削られていきます。言うまでもなく、その後は繋がっていた片腕も同様に削られます。
また、この鉛筆削りは、4時間もの時間を費やして全ての人のパーツを削り切ります。
その過程において、対象者は・・・
辺り一帯に血液や肉片、贓物の破片などを大量にまき散らしながらひたすらもだえ苦しむことになります
ですが、これまた不思議なことに、脳みそが破壊されるまで例外なく生存を続けるとのこと。いくら出血しても生き続けてしまうと言います。
そのため、死にたいのに死ねないという絶望感の中、全身の痛みに泣き叫び、脳みそが破壊されるその時まで苦痛を享受しなければならないのです。
こうしたことがあるならば、鉛筆削りの脅威に晒された瞬間、手と命のどちらを失うのかを瞬時に選択した方が良いでしょう。もたもたしていると全身を削られてしまいますからね。
そして、現在この鉛筆削りが保管されているのは、標準的有害物収容室と呼ばれる、SCP財団が管理している施設。
そして、財団はその施設で管理するに伴い、「鉛筆と共に収容しない」「あらゆる物体を周囲6メートル以内に近づけない」といった禁則事項を設けました。現在もこの姿勢を崩さずに管理しているため、鉛筆削りによる被害者は出ていません。
ですが、この鉛筆削りは、収容されるまでの間にどれだけの人を血肉に変えてきたのでしょうか。非常に気になるところです。
SCP-042-JP 変死レンジ
次に紹介するのは、SCP-042-JP 変死レンジです。
このSCPは、オブジェクトクラスはSafeに分類されている電子レンジとなっています。
大きさは、幅50cm、奥行45cm、高さ30cm。一般家庭に当たり前のように置かれていそうな、外見はごく平凡なこの電子レンジですが、内部には何者かによって改造された痕跡が残されているそうです。
そして、その改造の影響なのか、この電子レンジで温めた物は、決まってマイクロ波を放出するようになります。
マイクロ波というのは、人体に吸収されると組織内で熱を発生させる危険極まりない効果を持つ電磁波のこと。いわゆる電磁波攻撃というやつです。
また、この電子レンジで調理された物体を食べてしまえば、内臓に甚大な被害が生じ、適切な処置を受けない限りそのまま死亡してしまうそうです。
そして、この電子レンジの能力を調べるべく、財団は様々な食品とDクラス職員を用意して実験を行いました。Dクラス職員は実験で自由に使用することが出来る道具であるため、実験によってどれほど酷い目に遭っても問題はないでしょう。
手始めに、パックに入ったレトルトの白米をこの電子レンジに放り込み、2分間加熱しました。すると、案の定この白米はマイクロ波を放出するようになりました。
ですが、このマイクロ波の被害を防止する手段はあります。
1つは、加熱してから時間を置くこと。
どうやら、マイクロ波の放出時間には限界があるようで、5分温めてから取り出して、その1時間後に調査した冷凍のドリアからはマイクロ波が検出されなかったと言います。
加えて、そのドリアをD-7445と呼称されているDクラス職員に食べさせたものの、何1つとして異常は起きなかったとのこと。
また、アルミ箔で包装することも有効です。
この状態で5分温められた冷凍チャーハンはマイクロ波を放出しませんでした。また、このチャーハンを温めてからすぐにD-7445と呼ばれるDクラス職員に食べさせてもなお、このDクラス職員には異常が発生しなかったと言います。
こうした有効な手段がある一方で、実験によって新たに分かったこともあります。
まず、当時の財団は、1名のDクラス職員を使用して、通常通りにこの電子レンジで温められた冷凍食品を食べさせる実験を行っていました。
そして、その実験によってDクラス職員が死亡した後、その死体を検査するために個室に運び込んだのですが、なんと死亡してから5分後、Dクラス職員がマイクロ波を放出したのです。
こうしたことは財団にとって完全に予想外の出来事でした。そのため対応が間に合わず、近くにいた2名の財団職員のうち、1人が両腕に火傷を負い、もう1人は眼球に回復不能の障害、右半身に2度の熱傷を受けてしまいました。
加えて、周辺にあった計測機器の一部が破損してしまったと言います。大部分は死亡したDクラス職員が原因ですが、こうした未知の被害を想定して動けなかった財団側にも多少の責任があるかもしれませんね。
こうしたことから、現在この電子レンジは、電源プラグに絶縁カバーをかぶせた上で、財団が管理する電磁波遮断措置が施されている金庫内で保管されています。
この金庫には、実験室に使用しない電子機器や食品の持ち込みも禁止されていますが、現在はDクラス職員を使用した新たな実験を予定しているそうです。
今後どのような進展があるのか楽しみですね。
SCP-956 子供割り人形
次に紹介するのは、SCP-956 子供割り人形です。これも人間削りと同様にネーミングが面白いですね。
このSCPのオブジェクトクラスは、かつてはSafeでしたが、現在はEuclidに格上げされています。理由は後で解説します。
このSCPは、動物の見た目をしたピニャータ人形です。
ピニャータ人形は、メキシコに伝わる子どもたちが行う遊び道具の1つです。賑やかなパーティなどでたびたび使用されるそうです。
一般的なピニャータ人形の中には、菓子やおもちゃがぎっちり詰め込まれており、パーティの終盤において、この人形を叩いて割って中身を分け合うとのこと。
あつ森にもそんな感じのイベントがあった気がします。中身はカップケーキでしたよね。
ですが、財団が管理しているこの人形は、そのような生易しいものではありません。
何と言っても、普段は微動だにしない一方で、12歳未満の子供がこのSCPがいるエリアの数メートル以内に近づくと、突然自発的に動き出すのです。
そして、動き出したこの人形がとる行動。
それは、未知の方法で、自身が動くきっかけを作ったその子どもの身動きをほぼ完全に封じ込めて、胴体がぶっ壊れて死ぬまで殴打するというもの。
つまり、割る側と割られる側の立場が大逆転したということです。割るはずの人形に割られるなんて夢にも思わなかったことでしょう。
最近の世の中では、子どもを殺すという行動事態に嫌悪感を抱く人が多いらしいですね。創作上の世界であっても、ある程度の年齢に達しない幼いキャラクターが死ぬのはNGである場合が圧倒的に多いようです。特に海外だとそれが顕著なのだとか。
なので、この人形は忌み嫌われるべき存在と言えるのかもしれません。
それと、どれほどこのSCPが憎いからと言って、ガンガン叩いても何の意味もありません。このSCPには、殴打に対する強い耐久性があるのですから。自分の手が砕けたり持ってきた鈍器が壊れるだけで終わると思います。無駄なことはしない方がいいでしょう。
そして、子どもの胴体が破壊されると、血液や臓器の代わりにSCP-956-1に指定されている大量のキャンディがドバーッと放出されます。
キャンディの材料はその子どもの内臓です。この人形は、未知の方法で内臓を大量の小粒のキャンディに作り替えていることが分かっています。
キャンディは個包装のようですが、どうやらその包み紙には、これといったマークや印字、イラストなどは掲載されていないのだそうです。
なお、このSCPの射程内にターゲットが複数いた場合、1人ずつ順番に破壊することが分かっています。子どもだからと言って容赦はしません。
さて、ここで気になった人もいるかと思います。
動けなくなった子どもを壊される前に回収した場合、この人形はどうなるのかと。
答えは非常に簡単で、ピタッと動きを止めるだけです。特に追いかけてくることもないようです。
ただし、動きを封じ込められた子どもは、どれほど時間が経ってもなおその状態から解放されることはありません。
膝を抱えた状態、手を挙げた状態、片足を挙げた状態などなど、どのような姿勢を取っていようが、その状態から永久に体を動かすことが出来なくなります。
かろうじで目玉は動かせるそうですが、何の気休めにもなりませんね。
なお、財団はしっかりとSCP-956-1を使った実験も行っています。
実験内容は、被検体である12歳以上の人間と12歳未満の人間、人間以外の動物を複数集めた上で、それぞれにSCP-956-1を摂取させるというもの。
結果は、12歳以上の人間のうち数パーセントは心停止によって死亡する。12歳未満の人間はほぼ全ての動きを封じ込められる、もしくは体に変異が生じてSCP-956と同じ個体に姿を変える。
動物は何年生きていようが確実に死ぬというものでした。
近年では動物が死ぬ描写もよく思われてないっぽいですし、増々この人形に対する不満の声があがってきそうですね。
なお、現在収容されているこの人形の数は1体だけです。そのため、子どもの体をベースにした残りの個体は、財団の手によって焼却処分でもされたのでしょう。
この人形は、物理攻撃には強いものの、火にはこれといった耐性がないことが分かっています。
ちなみに、つい最近になってから、この人形は自身が収容されている個室をウロウロするようになったそうです。そして、個室の壁に顔面を押し付けるようにした状態で動きを止めて、壁の一転を1時間ほど見続けるという挙動を取るようになったのだとか。
まるで意味不明な行動ですが、どうやら詳しい調査の結果、この人形が見ていた壁の先には、個室から数キロ程度離れた場所に小学校があったのだそうです。
なので、財団は慌てて、人形のオブジェクトクラスをSafeからEuclidに再分類するよう要請しました。現在はその要請が通ったので、この人形のオブジェクトクラスの項目にはEuclidと堂々と記載されています。
こうしたことから、この人形を大人が持ち出して、小学校や幼稚園などの小さな子どもが集まる施設に投げ込めば、誰も止めない限り、その施設にいる子どもたちが全滅することはほぼ確実でしょう。
性別、体格、容姿、性格、学年、クラスの階級、役割・・・そんなものなど関係なく、いたって平等にこの人形に惨殺されることでしょう。
動けないという恐怖、殴打による激痛、体内から得体のしれない菓子が噴出するおぞましい光景をいっぺんに体験しながら。
SCP-198 コーヒーを一杯
最後は、SCP-198 コーヒーを一杯です。オブジェクトクラスはEuclidに分類されています。
1900年代に発見されたSCPで、ホットコーヒー用のマグカップ、ガラスのビール瓶、発泡スチロールの容器、アルミ缶、ペットボトルなどの様々な形状を取ることが分かっています。本来の形は分かっていません。
それはともかく、このSCPはそんな形状をしているので、人間側が何か適当な液体を入れることも出来ます。紅茶でも濃硫酸でもなんでもOKです。このSCPは、いかなる方法を用いても壊れないらしいので、好きな物を注ぎ入れても問題ないでしょう。
ただし、生きた人間がこのSCPを手に持って2秒から5秒が経過すると、このSCPは、未知の方法で握る手に火で焼けるような痛みを与えつつ、その人間の手と自身を接着させるという異常性を発揮します。
予め手袋をしておいても防ぐことが出来ません。
また、財団は接着した指や手首を切り落として人間とSCPの分離を試みたことがあるそうですが、その怪我は不思議なことに一瞬にして治ってしまうことが分かっています。恐らくこの治癒能力も、このSCPが持っている異常性の1つなのでしょう。
そのため、今はこのSCPと接着した場合は剥すことは不可能と考えられています。書いてはありませんが、手の平の肉を引き剝がしても無駄ということでしょうね。
そうして接着したこのSCPですが、どうやら人間の手に貼り付くと同時に今まで入っていた液体を消滅させるそうです。
そして、空っぽになった後は、液体、もしくは半固体状の物体を未知の方法で発生させ、容器内を見たします。
その内容物とは何か?
財団が調べたところ・・・
唾液、汗、血液、胆汁、尿、排泄物
などの、人間の体に詰まっている物体ばかりであることが判明しています。
加えて、このSCPと接着した人間は急激に脱水症状や衰弱状態による栄養失調に陥り、何もしなければ24時間以内に死亡します。
どうやらこの状態を改善するには、容器の内容物を摂取する必要があるようです。外部からの栄養補給をしてもなお、この状態は一向に改善することはありません。
また、容器の内容物を全て摂取、もしくは投げ捨てられた場合、このSCPは再度内容物を補充します。
それと、このSCPの異常性の調査中に、SCPと接着した多くの人間が内容物を投げ捨てるという行動を取っていたとのこと。見たくない物を強引に見せつけられたのですから当然ではありますが。
また、内容物を摂取しても生き続けようとする、生への執着心が強い人間がこのSCPを調査の被検体になったこともあったのですが、結局70時間後に死亡したそうです。
つまり、このSCPと接着した人間は、不浄な物を口にしてまで生にしがみつくか潔く死ぬか好きな方を選ぶ必要があるということですね。
実際に、収容前のこのSCPをうっかり触ってしまったある警備員は、内容物を摂取することなく、財団に自分を殺すよう頼んでいます。書いてはありませんが、恐らくこの要求は通ったことでしょう。
なお、接着していた人間が死亡した後、このSCPはすぐさま手から離れて、姿を変えた上ですぐ近くの平らな面の場所にランダムに出現します。
そのため、収容されているエリアからこのSCPが消滅した場合、財団職員は全ての飲料容器の使用を避けて、SCP-198の位置が特定されて安全に収容されるまで、施設から避難する必要があるそうです。
ちなみに、現在このSCPは収容されており、取り扱う際はロボットによる遠隔操作を経由することが義務付けられています。
最後に
ここまで読んでいただきありがとうございました。
各SCPの元のネタのリンクを掲載しておきます。
SCP-1307 人間削り
製作者:Paul Henderson
http://scp-jp.wikidot.com/scp-1307
SCP-042-JP 変死レンジ
http://scp-jp.wikidot.com/scp-042-jp
SCP-956 子供割り人形
製作者:Trasknari
http://scp-jp.wikidot.com/scp-956
SCP-198 コーヒーを一杯
製作者:Soulbane
http://scp-jp.wikidot.com/scp-198
では、今回はこの辺で。また次回もよろしくお願いします。
この記事はCC BY-SA 3.0ライセンスに基づきます。