どうも、ありつむぎです。
今回は、投稿者がおすすめする怪異が潜む日本の怖いSCPを3つ取り上げていきます。
名前だけは知っているというものも含まれているかもしれません。
各SCPの面白いと思える部分をまとめましたので、最後まで読んでいただければと思います。
SCPの各種オブジェクトクラスの簡単な説明は以下の通りです。
Safe→故意に活性化させない限り異常性が発現しないクラスのSCPの総称
Euclid→影響範囲が限定されているが挙動が予測不可能なクラスのSCPの総称
Keter→全人類にとって敵対的な存在かつ現在の財団の力では完全に収容することが困難なクラスのSCPの総称
なお、この記事はCC BY-SA 3.0ライセンスに基づきます。
それでは以下より本編に移ります。
SCP-1186-JP ムスビのほらあな
最初はSCP-1186-JP ムスビのほらあなです。
このSCPは直径70センチの空洞で、オブジェクトクラスはSafeに分類されています。
これはただの空洞ではなく、20センチ深くなった位置において、何者かが潜んでいるであろう異常な空間に繋がっています。
では、この空洞に物を入れたらどうなるのか?
大抵の場合、ネズミなどの動物が付けたようなひっかき傷や噛み跡が付けられてから、一定時間かけて穴の近くに戻されます。
ところが、後述する特定の物品を投入した時、ある変化が起こるのです。
例えば、調査用の探索機器を装備して、いつでも元の位置に戻ってこれるようにケーブルに繋がれているDクラス職員を投下した際は、なんと江戸時代の農民の男性が1人放出されました。
また、この男性は長い事気絶していたのですが、財団の関係者に対して、「穴の周囲は土壁になっており、四方八方から何かの鳴き声が聞こえてきた」といった穴の内部の情報を提供しています。しかも、この男性の衣服にはげっ歯類の毛と思しき物質が大量に付着していました。なぜ江戸時代の人が生存を続けていたのかは不明です。
ちなみに、繋がれていたケーブルは切断されたため、投下されたDクラス職員は消失してしまいました。
また、この実験が行われた後、空洞の近くに次のような言葉が刻まれた木が発見されています。
おしかけ・ねこおことわり
それから、塩むすびやおにぎりの食品サンプル、焼きおにぎりの他、包装されたコンビニのツナマヨおにぎり、ピザ用チーズを練り込んで片栗粉をまぶして油で揚げた揚げチーズおにぎりなどを、日を置いて投入する実験を行いました。
すると、以下のような物が空洞から放出されました。
- 塩むすび→大判金貨1枚
- おにぎりの食品サンプル→粉々に分解された食品サンプルと色褪せたスカーフ1枚
- 焼きおにぎり→投入したDクラス職員(死刑が言い渡されている)の冤罪を証明する書類
- 包装されたコンビニのおにぎり→噛み跡が付いたおにぎりの包装と錆びた青銅の剣1本
- 揚げチーズおにぎり→魅力的な容姿の女性の人型実体1体
また、揚げチーズおにぎりを投下した際、空洞の奥から1匹のハムスターが顔を覗かせていました。
そのため、この穴の中にはやはり未知の存在が潜んでいると考えることができるでしょう。
ちなみに、女性の人型実体は喋ることができるものの、身元は確認できておらず、現在も財団が収容しています。
また、再度揚げチーズおにぎりを投下した際は、最初の実験で消失したDクラス職員が、和紙を括りつけられ、気絶した状態で放出されました。
この和紙には、揚げチーズおにぎりを賞賛する言葉や、空洞の奥に潜む未知の存在の家庭事情などが書かれていました。さらに、このおにぎりの味を再現することに成功したという報告も書かれています。
加えて、このような言葉も書かれていました。
追伸:
ハヤサスラ姉さんへ。久々の上での暮らしはどうですか?たまにはこちらにも顔を出してくださいね。
ハヤサスラ姉さんとは、1回目の揚げチーズおにぎりを投下した時に出てきた女性の人型実体のことだと思います。
なお、2回目の揚げチーズおにぎりの投入後は、SCP-1186-JP-1に指定される料理と思しき未知の物体が空洞の入り口付近に出現し、それ以降は重い怪我や病気によって臨死体験をしていた人々が生還する事例が報告されるようになりました。
この人々は神が食事に夢中で、そのまま現世に送り返されたといったことを口にしています。さらに、見知らぬ男性がSCP-1186-JP-1を神に献上する様子を目撃したという人も存在しています。
もしかしたら、神は揚げチーズおにぎりの味を再現した料理、即ちSCP-1186-JP-1に魅了されたのかもしれませんね。
なお、元々この空洞の周囲の集落では「ムスビのほらあな」と呼称される昔話が語り継がれていました。
その内容は、ある老人が握り飯を持ってたけのこを取りに山に出かけた時、偶然にも奇妙なほら穴を発見し、その奥から小さな啜り泣く声が聞こえてきたため、この声の主はネズミであり、腹を空かせていると思って握り飯を穴の中に入れてやったというものです。
すると、その穴の奥からは次のような言葉が聞こえてきたと言います。
おむすびころりん すっとんとん おむすびころりん すっとんとん
こうしたことから、この空洞は昔話に由来しているSCPだと考えることができます。
なお、この空洞は、ある大学に通う登山グループによって発見されました。そして、この穴に異物を入れてしまい、穴から放たれた火矢の狙撃を受けてグループのうち1名が負傷する騒動を引き起こしたのです。
こうしたことから、この空洞は必ずしも良い物を放出するとは限りません。そのため、現在財団は空洞の周囲に警備員を配置し、民間人の立ち入りを禁止しています。
SCP-122-JP 問題の多いメイド喫茶
次はSCP-122-JP 問題の多いメイド喫茶です。
このSCPは、とある繁華街に存在しているメイド喫茶で、オブジェクトクラスはEuclidに分類されています。
このメイド喫茶の内部には、テーブル席の他、電子レンジ、空っぽの冷蔵庫、複数の調味料が置いてあるキッチンが設けられています。午前11時から午後23時まで営業していることが判明しています。
そして、この内部にはSCP-122-JP-1に指定されている、謎の人型実体が複数存在していることが確認済みです。
後述しますが、この人型実体は人間ではない未知の存在である可能性が高くなっています。
まず、この人型実体はメイド服を着用した10代後半の女性の見た目をしており、従業員として客の対応をしながら、注文された料理をキッチンで未知の方法で調理して提供します。
なお、この人型実体は時に内部から出て男女問わず目に付いた人を店に招き入れることもあるようです。
人型実体は、営業時間内までこのメイド喫茶に滞在し、営業時間後は未知の方法で一時的に消失し、翌日の営業時間には何の予兆もなく出現して同じように振る舞い続けるようです。
また、この人型実体が提供するメニューのラインナップとして、コーヒーや紅茶に似た謎の液体の他、オムレツに似た謎の物体などがあります。
この物体の上には、デフォルメ調のキャラクターがケチャップのような物体で描かれています。いずれも口にすることは可能ですが、これらは通常のメニューではありません。
というのも、このエージェントが派遣される前にDクラス職員を使用した実験が行われていました。
このDクラス職員は「真っ赤なハートの雪降トマトジュース」「くまたん妖精のドキドキオムライス」「コロコロココロのサンドイッチ」という少し不思議な名称の料理を注文しました。味は非常に美味で、冷凍食品とは異なりしっかりと作られている印象を受けたと言います。
そして、財団職員の指示に従って、料理の一部を持ってきたタッパーに入れて帰還したのですが、この料理を調べたところ、このDクラス職員と同一のDNAが検出されたのです。
そのため、このメイド喫茶は未知の方法で客の体の内側の組織を使用して料理のような見た目の液体や物体を作り、それを人型実体に提供させている可能性が浮上しています。
なお、このDクラス職員は帰還してから約15分後に貧血の症状に陥り、体重が1キロ減少していました。
また、過去にこの異常性はこのDクラス職員だけではなく多くの一般人の身に及んでいたことが分かっています。
財団の調べによると、このメイド喫茶で食事を摂り続けた人達は徐々に衰弱していき、栄養失調に陥ったとのこと。死に至った人もいたそうです。
理由は不明ですが、こうした症状が起こっている一方で、誰もが「自分は健康だ」と思い込んだ上で、このメイド喫茶に好感を抱いて来訪するようになります。
実験で使用されたDクラス職員もご多分に漏れず、再訪を求め続けました。ただし、記憶処理を施すことによってこの異常性は消滅しました。
そして、このメイド喫茶と人型実体を調査するべく、財団はあるエージェントを派遣しました。
この時、人型実体はエージェントの来店を知るが早く
おかえりなさいませ、ご主人さま!ハートフルカフェへようこそ!ご帰宅料は500円となっております!
と開口一番に言いました。
それから、エージェントは至って冷静にここでどのように料理を作っているのかを尋ねます。
加えて、別の人型実体が空っぽだったはずの冷蔵庫から完成した料理を取りだしていることを指摘した時・・・
突然、対応していた人型実体が自身の表情を高速で変化させつつ高周波の音声をおよそ1.5秒発し続けました。
その音声を解析した結果、以下のような長文を喋っていたことが判明しています。
[お帰りなさいませご主人様。おはようございますご主人様。今日もご無事のご帰宅、何よりです。お帰りなさいませお嬢様。おはようございますお嬢様。いってらっしゃいませご主人様。いってらっしゃいませお嬢様。ハートフルカフェへようこそ。ハートフルカフェへようこそ!私達はお屋敷の妖精さんです。アイスコーヒーですね、かしこまりました。ジンジャーエールですね、かしこまりました。コーラですねかしこまりました。当店ではちょぉ新鮮、ほやほやのお料理をご提供いたしておりますっ!天然素材100%、ご注文を受けてから作っているのでとって美味しいんですよ!くまたん妖精のドキドキオムライスですねっ、かわいくっておいしくってドキドキしちゃいますよ!コロコロココロのサンドイッチですね、コロッコロの大きな具がたぁっぷりで食べれば食べるほどまた欲しくなっちゃうんですよ! コマンド?]
そのため、人型実体が本物の人間である可能性は皆無に等しくなっています。何者なのかさえ不明のままです。
こうしたことから、このメイド喫茶の周囲には財団が派遣した警備員が配置されています。加えて、周囲500メートルを封鎖して民間人の立ち入りを禁止する措置が取られています。
なお、このメイド喫茶に数日間来客がなかった場合、未知の方法で店ごと瞬間移動してその場所で営業を開始します。確認されているだけでも過去に2回の瞬間移動が行われました。
このままでは民間人が被害に遭う可能性が高いとされ、財団は1日に1回のペースで別々のDクラス職員に対して、このメイド喫茶に行って提供される料理を口にしてから即座に退店するよう命令しています。
そして、財団の施設に戻ってきた後は記憶処理を施し、このメイド喫茶の存在を忘れさせる措置を取っています。
この措置には、メイド喫茶の移転を防止して実質的に特定の位置に封じ込める目的があります。客が来れば瞬間移動はしないようです。
実際にこの措置は成功しており、現在は東京都の某所に留まり続けているとのことです。
SCP-199-JP もう一人の観客
最後はSCP-199-JP もう一人の観客です。
このSCPは、日本の特定の映画館などに出現する人型実体で、オブジェクトクラスはEuclidに分類されています。
この人型実体の出現場所は映画館で、その条件として観客が1人しかいないことが挙げられます。劇場内の照明が落とされて暗くなり、映画が上映されている時に一定の確率で出現します。
人型実体はどこからともなく、音もなく唐突に姿を見せます。
その外見はやせ型の人のようなシルエットなのですが、暗い映画館の都合上正確な姿は不明のままです。上部の画像が暗視カメラで捉えた人型実体の姿となっています。
そして、この人型実体は誰かを殺すことはないものの極めて敵対的かつ暴力的な性質を持っています。しかも、男性とも女性のものともつかない謎の叫び声をあげながら俊敏に行動するのです。
そのため、1人のDクラス職員を使用した実験において、この人型実体は手始めに一番後ろの席に座り、音もなくDクラス職員の後方に忍び寄りました。
そして、このDクラス職員の下顎を破壊し、未知の方法でその場から消え去ったのです。
この実験から、腕力には底知れないものがあることが分かるかと思います。
なお、劇場内のカメラには、この人型実体が映画館の入退場口から出入りをしているように見えるにも関わらず、外で出入りを見張っていた財団職員は誰も劇場から出てきていないと話しています。
この矛盾点を正しく説明する方法は現在ありません。
また、この人型実体の異常性を調べるために、ある3人のエージェントの協力の元、2回目の実験が行われました。
この実験は、1人のエージェントが映画館内で待機して人型実体を呼び出す条件を満たし、人型実体が攻撃を加えようとした際に、合図と共に待機していた2人のエージェントが銃を持って劇場内に突入するというものとなっています。
ですが、この実験中に突然映画の音量があがり、博士との音声通信が遮断されてしまい、スクリーン内の映像が消え失せてました。加えて、いかなる方法を用いても明かりをつけることができなくなるアクシデントも発生します。
そんなアクシデントが起こる中、人型実体は映画館内にいるエージェントに接近すると、そのまま顔を掴んで引きずり下ろし、このエージェントの両目を指で貫きました。
それから、人型実体は抵抗するエージェントを引きずりながら移動して未知の方法でその場から立ち去っていきました。
そのため、このエージェントは行方不明になり、現在も遺体さえ発見されていません。
エージェントを襲撃する前のこのアクシデントは、財団の不手際ではなくこの人型実体が未知の方法で引き起こしたと考えられています。
実際に、人型実体が消失した後は何事もなかったかのように劇場内に明かりがつき、映写機が作動しました。
また、1人で映画を鑑賞している時にも出現する可能性が示唆されています。
というのも、自宅で1人で映画鑑賞をしていた財団の博士が突然失踪したのです。この原因は不明となっていますが、博士は人型実体の調査を担当していたことが分かっています。
そのため、もしかしたらこの失踪には人型実体が関与しているかもしれません。
ちなみに、出現条件が揃わなかった場合、人型実体は今まで滞在していた映画館から最も近い映画館に姿を見せるようになります。
そのため、現在財団は、5カ月に1度のペースでこの人型実体が潜む映画館にDクラス職員を1人で向かわせて半ば強引に出現させ、出現後は劇場から退避させるという措置を取っています。
それと同時に、普段は3人のエージェントを問題の映画館に派遣し、この人型実体の出現を未然に防ぎ続けています。
最後に
ここまで読んでいただきありがとうございました。各SCPの元ネタのリンクと著者を掲載します。
SCP-1186-JP ムスビのほらあな
著者:snoj
http://scp-jp.wikidot.com/scp-1186-jp
SCP-122-JP 問題の多いメイド喫茶
著者:mary0228
http://scp-jp.wikidot.com/scp-122-jp
SCP-199-JP もう一人の観客
著者:grejum
http://scp-jp.wikidot.com/scp-199-jp
では、今回はこの辺で。次回もよろしくお願いします。