触れられたら終わり

SCP-049-ARC(アーカイブ版ペスト医師)は、「ペスト」を治療するという名目で人間に致命的な処置を行う存在として知られています。

しかし、その行動原理はSCP-049とは微妙に異なり、より曖昧で解釈の余地が大きくなっています。

では、SCP-049-ARCが言う「ペスト」とはどのようなものなのか。そして、なぜSCP-049-ARCは「治療」として人の命を奪うのか。

本記事では、アーカイブ版の記述をもとにペスト医師の行動原理を考察していきます。

なお、SCP-049-ARCの「ARC」はアーカイブを意味しており、現在の公式設定では旧式版として扱われています。

そのため、本記事で扱う内容は現在のSCP-049と異なる部分があります。

いわば「過去の設定」「初期構想」に近い位置づけとなっています。

ありつむぎ
ありつむぎ
本記事では、アーカイブ版のペスト医師をメインに扱います。

SCP-049-ARCとは何か

SCP-049-ARCは、中世のペスト医師のような外見を持つ人型存在です。

オブジェクトクラスはEuclid(影響範囲が限定されているものの挙動が予測不可能なクラスのSCPの総称)となっており独房に収容されています。

知性と会話能力を備えており、対話も可能で「ペスト」に関する話題になると強い執着を見せます。

しかし、ペスト菌により発症する実在の病とは無関係です。執着するのは、ペスト医師本人が主張する「ペストという概念」となっています。

そして、対象が「ペスト」に感染していると判断した場合、SCP-049-ARCは直接接触によって対象を死亡させ、独自の“治療行為”を行います。

これにより蘇生した存在はSCP-049-2と呼ばれ、目的もなくさまよい続けるゾンビのように変化します。

ありつむぎ
ありつむぎ
このSCPに触れられたら息絶えて、治療の末にゾンビになります

なぜSCP-049-ARCは人間を「治療」するのか?

まず、SCP-049-ARCが主張する「ペスト」とは、何を指しているのか明確ではありません。

また、なぜ死を伴う治療法が行われているのかすら不確かです。

このことから、SCP-049-ARCの行動は完成された理論ではなく、より原始的な概念に基づいている可能性があります。

仮説①概念的感染症認識説

SCP-049-ARCが認識している「ペスト」は、物理的な病気ではなく「概念的な異常」であると考えます。

例えば、生き物の精神的な歪みや不安定さなど。

そういったものをSCP-049-ARCは「ペスト」として認識している可能性があります。

SCP-049-ARCの曖昧な行動基準は、この「ペスト」を扱っているためだと考えれば説明がつくかもしれません。

ただし、この仮説においては、なぜ治療が命を奪う形に締結するのかについて完全に説明できません。

仮説②不完全な治療理論説

この仮説は、SCP-049-ARCの行動は「不完全な医療理論」に基づいているというものです。

つまり、ペスト医師は「ペスト」を治療しようとしているものの、その方法が確立されておらず、治療の結果が絶望的なものになっているという考えになります。

一方で、ペスト医師による強い確信との整合性にはやや疑問が残ります。

実際に、ペスト医師は財団の博士に対し「私の治療は効果的なのだよ」といった旨を誇らしげに語っています。

仮説③役割の原型説

SCP-049-ARCは、大昔のヨーロッパに実在していた「ペスト医師」の原型であるとも考えられます。ペストは、かつてのヨーロッパにて実際に発生したパンデミックです。

この病気を治療するために最前線に立ったのがペスト医師だったのですが、当時は治療法が確立されていませんでした。

つまり、SCP-049の行動や能力は不完全な形でしか現れていないとも考えられます。

実際にSCP-049-ARCの行動への理念には一貫性があるものの、治療は全て失敗に終わっています。

悪疫の考察

SCP-049-ARCは「悪疫」と表現する何かについて言及しています。

これについては不明なままであり現在も研究中で、このSCPの報告書の読者の間で様々な考察が飛び交っています。

投稿者は、SCP-049-ARCにとっての悪疫とは「人の生存」ではないかと考えます。

人はいずれ老いて息絶えることになります。そして、その苦しみから解放することをこのSCPは自身の役目だと信じ込んでいる。

このことから、あらゆる人に接触し死に至らしめ、独自の治療を施しているとは考えられないでしょうか。

SCP-049との違い

SCP-049では「ペスト」への認識や治療プロセスがより具体化されています。

一方で、SCP-049-ARCでは、その目的が曖昧であり解釈の余地が残されています。

この違いは、設定の再構築によるものとも考えられますが、作中解釈としては「存在の進化」や「理論の完成」と捉えることもできるでしょう。

結論:SCP-049-ARCの行動原理は何か

SCP-049-ARCの行動は、現行のSCP-049と比べて不完全でありながらも、同じ「ペストの治療」という概念に基づいています。

その本質は「理解できない何かを排除し正常化しようとする試み」にあると考えられます。

しかしその試みは未完成であり、結果として人間にとっては不可解で恐ろしい行動として現れていると投稿者は考えます。

そのため、SCP-049-ARCの恐怖は「悪意のない行動」にあるのかもしれません。

また、序盤で話した通り、SCP-049-ARCは「ペスト」に感染した人の命を奪ったあと、再構築することでSCP-049-2と呼ばれる存在を生み出します。

これらの個体は自律的な意思をほとんど持たず、緩慢な動きで周囲に反応するなど、生前とは明らかに異なる挙動を示すことが特徴です。

SCP-049-ARCでは、この「再構築」の過程や結果が明確に記録されていません。

そのため、ペストの治療目的や成果が曖昧であり、治療そのものが不完全なものである可能性があります。

まとめ

このSCPをまとめると次のようになります。

  • 中世のペスト医師のような外見を持つ人型存在
  • 現代医学では確認されていない「ペスト」という概念に強い執着を示す
  • 接触で対象の命を即座に奪う
  • 未知の感染症を認識している可能性がある
  • SCP-049-ARCは、概念的な“異常”をペストと呼んでいる可能性がある
  • 「悪疫」の正体については様々な説があるものの不明

最後に

ありつむぎ
ありつむぎ
内容は以上です。ここまで読んでいただきありがとうございました。

タイトル: SCP-049-ARC – ペスト医師
原語版タイトル: SCP-049-ARC – Plague Doctor
訳者: Dr Devan
原語版作者: Gabriel Jade
ソース: http://scp-jp.wikidot.com/scp-049-arc
原語版ソース: http://scp-wiki.wikidot.com/scp-049-arc

タイトル: SCP-049 – ペスト医師
原語版タイトル: SCP-049 – Plague Doctor
訳者: wired990
原語版作者: Gabriel Jade_, djkaktus(改稿者), Gabriel Jade(改稿者)
ソース: http://scp-jp.wikidot.com/scp-049
原語版ソース: http://scp-wiki.wikidot.com/scp-049

ライセンス: CC BY-SA 3.0

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ありつむぎ
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