この記事は、読者の知的好奇心を満たすことを目的として制作したものであり、犯罪、自傷行為、自殺を推奨しているコンテンツではありません。予めご了承ください。
どうも、ありつむぎです。
今回は、かつてインターネット上で注目を浴びると同時に問題視されていたMomoチャレンジについて取り上げていきます。
Momoチャレンジの概要
Momo(もも)チャレンジは、2018年ごろからネット上で注目を集め始めた検索してはいけない言葉に登録されている都市伝説の名称です。
その都市伝説によると、Momoを名乗る謎のユーザーが、メッセージを送ったり通話ができるアプリ「WhatsApp」の利用者のうち、10代の子供に暴力的な画像を突然送り付けてくるようです。それから、一方的にメッセージを送ったり電話をかけてきたりするとのこと。
そんなMomoが使用していたプロフィール画像は、怖すぎると言えるほど多くのネットユーザーの恐怖心を煽るものであったと言われています。
具体的には、くぼんだ眼孔にはめこまれたビリヤードの球のように立体的でぎょろりとした両目と、大きく左右に裂けた口が特徴的なキャラクターの画像だったとのこと。
この記事のアイキャッチ画像がまさにそれです。無修正のものはインパクトが強すぎると感じたため、モザイクと赤いバツ印で覆い隠しておきました。
Momoチャレンジで画像検索すると、上記の説明通りの無修正の画像が映し出されます。閲覧はご自身の判断でお願いします。
そんなMomoは、コンタクトを取った相手に対して様々な要求を持ちかけてくると言われています。どうやら自傷行為や自殺なども要求してきたとのこと。
そして、要求を拒むと「呪いをかけてやる」などと脅迫され、要求に従わざるを得ない状況に追い込まれるのだとか。また、Momoは相手に対してお前のことはすべて知っているとも話していたそうです。
それから、Momoが提案してくる要求はいつしかMomoチャレンジと呼ばれるようになります。2018年8月には、アルゼンチン在住の当時12歳の少女がMomoチャレンジによって首吊り自殺をしたという噂が立ちました。
さらに、インドの青年が2人、コロンビアの当時12歳の少女と16歳の少年が1人ずつMomoチャレンジが原因で自殺したと噂されるようになります。
なお、Momoチャレンジは、同じく検索してはいけない言葉に含まれている青い鯨に酷似しているとされ、その関連性も疑われていました。
青い鯨とは、2013年ごろから海外で流行した、生きることに悩んでいる人や社会に何らかの不満がある人などが参加者となる自殺ゲームです。
その内容は、参加者が何者かの指示に従って自傷行為をしたり自殺をするというもので、結果として参加者のうち130人以上が自殺したと言われています。
そして、2017年5月に青い鯨の考案者である当時21歳の男「フィリップ・プデイキン」が逮捕されました。しかし、彼は警察に対して「俺は社会の役に立たない生物的ゴミを排除しただけだ」と供述しているようです。
SNS上の反応
その後、MomoとMomoチャレンジの存在はTwitterやインスタグラム、FacebookなどのSNSで拡散されるようになりました。
Twitterにおいては「Momoは不特定多数の子供に対して自殺するように仕向けている」として話題になったようです。
実際に、2019年2月末にとあるネットユーザーがTwitter上で「気を付けて!『Momo』という存在が子どもに自殺するように指示しています」という内容をFacebookのスクリーンショットと共にツイートしました。
このツイートは既に削除されていますが、公開されていた当時は2万件以上のリツイートを獲得し、瞬く間に多くのネットユーザーたちに認知されていきました。
それに加えて、インフルエンサーもMomoチャレンジに関する情報を拡散したため、MomoとMomoチャレンジの知名度は急上昇していくことになります。
さらにSNS上では、動画投稿サイトに投稿された動画の視聴中に突然Momoが表示され、「フォークをコンセントに刺せ」「大人に言ったらお前の家に行って家族を皆殺しにするぞ」などと喋り出す怪異が起こるという、根も葉もない噂が飛び交い始めました。
Twitterでは、こうした事態に感化されたのか、自身のアカウント名をMomoにして、プロフィール画像をMomoの画像に設定した上で不特定多数のユーザーに英文を送り付けるユーザーが見られるようになりました。
インスタグラムでは、一時期momo challengeという名称のアカウントが多数作られた上に、様々なユーザーによってmomochallengeやmomochallangeというハッシュタグが付けられた動画が1万本以上投稿される事態に発展しています。
真相と現在
そんなMomoとMomoチャレンジに関する噂ですが、これらはすべてデマであったことが判明しています。
WhatsAppにいたとされるMomoというユーザーは空想上の存在で、それに伴い、そのユーザーが自傷行為や自殺を要求してきたという噂もフェイクということになります。
この記事にあるMomoチャレンジの概要という項目の終盤で、自殺したと噂されていたアルゼンチンの少女について触れました。
ですが、彼女がMomoに唆されて自殺したという事実はおろか、そんな少女がいたのかさえも確認されていません。
インドの青年とコロンビアの2人の子供についても、Momoチャレンジによって死亡したという証拠はないようです。
つまり、何者かが冒頭で話した画像を使用しながら噂を流し、あたかもMomoが実在しているかのように仕立て上げた。そして、その噂がSNSの世界と多くのネットユーザーをかき乱したということになります。
こうしたデマが大々的に拡散された理由についてですが、その1つに、親が自身の子供を心配するあまり、Momoチャレンジの真偽の有無を調べることなく食らい付いたことが関係しているとされています。
なお、2023年現在、Momoチャレンジというワードの他、momo、モモ、ももといったワードで検索すると、問答無用でMomoの無修正の画像が表示されます。
あるネットユーザーは、2021年に韓国のガールズグループTWICEのメンバーのモモさんについて調べるためにmomoと画像検索しました。そして、このとき表示されたMomoの画像を見てトラウマを覚えたとのことです。
投稿者もこのワードで検索してみましたが、やはり同様の画像が見られました。調べる際はご自身の判断でお願いします。
画像の元ネタ
画像の元ネタについてお話します。
Momoという名称で知られるようになったこのキャラクターは、映画やテレビドラマなどの特殊造型を手掛ける男性「相蘇(あいそ)敬介さん」の作品となっています。
作品の名称は「姑獲鳥(うぶめ)」です。姑獲鳥は、難産によって死亡した女性の霊が妖怪になった存在だと古くから言い伝えられています。
この作品は、2016年8月に東京都で開催された、ヴァニラ画廊という画廊の企画「幽霊画廊」にて展示されていました。相蘇さんいわく、パンチのある怖いものを作ろうと気合いを入れて制作したそうです。
また、相蘇さんによるとMomoチャレンジのために姑獲鳥の画像を使用する許可を出した記憶はまったくないそうです。
しかし、MomoチャレンジがSNS上で知られるようになると、自身の元に誹謗中傷を目的としたメールが1日に30通以上届くようになったとのこと。
これにも苦心していますが、何よりも自身が作った姑獲鳥がMomoチャレンジを象徴するキャラクターになってしまったことについて複雑な心境を抱いていると言います。
ちなみに、姑獲鳥 人形と検索すると彼が手掛けた姑獲鳥の画像がヒットします。
最後に
以上で解説を終了します。
ここまで読んでいただきありがとうございました。