【SCP-122-JP】問題の多いメイド喫茶の考察。内部の異常性と隠された謎
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SCP-122-JP(問題の多いメイド喫茶)
一見すると異常性のないメイド喫茶。ここで提供されるトマトジュースやオムライスなどの飲食物は絶品。そして、誰もがこの店に好印象を覚え自発的に通い続けます。
しかし、ここで提供される飲食物を口にすると徐々に身体が衰弱していくのです。
体重は減っていき栄養失調の状態になるものの、本人はそれを自覚せず「自分は健康である」と言い張り続けます。
そして、何も処置をしない限り息絶えることに。
果たして、これほど危険な店である一方で、なぜ客は好んで通い続けるのでしょうか。
概要
まずは概要について。
SCP-122-JPは、繁華街に出現する異常性を持つメイド喫茶です。提供される飲食物はどれも非常に美味です。
オブジェクトクラスはEuclid(影響範囲が限定されているものの挙動が予測不可能なクラスのSCPの総称)となっています。
店内にはメイド姿の従業員「SCP-122-JP-1」が存在しています。
厨房には冷蔵庫と電子レンジ、複数の調味料が置いてあるものの食材は一切ありません。冷蔵庫内も空っぽです。
それにもかかわらず、客には美味な飲食物が提供されます。
そして、そんな料理を食べた客は自発的に繰り返し通い続け、徐々に衰弱していくことに。
さらに奇妙なのは、栄養失調になってもなお来客者は「自分は健康だ」と認知する点です。
しかし、財団による記憶処理(記憶を消したり改竄すること)を施すことでこの症状は改善します。
疑問点
さて、このSCPに関して複数の疑問が生じるかと思います。
- 空の厨房から料理が出てくる理由は。
- なぜ客は衰弱しても異常を認識できないのか。
- SCP-122-JP-1の目的は何なのか。
このうち1つ目の謎についてはほぼ答えが出ています。
財団の研究として、D-1227(Dクラス職員、いわゆる財団の実験体となる人物の1人)がこのメイド喫茶を訪れました。
そして、D-1227はトマトジュース、オムライス、サンドイッチを口にし、エージェントに命じられた通りに持ち込んだタッパーに料理の一部を入れ財団の管理下に戻りました。
それから、そんな飲食物を調査したところ、なんとD-1227と同様のDNAが検出されたのです。
さらに、帰還後のD-1227は体重が1キロ減少しており貧血の症状を見せていたことから、財団は、SCP-122-JPは未知の力で料理の原材料として来客のDNAおよび組織を使用しているという仮説を立てています。
あえて通常の食材ではなく人の組織を使う理由は不明ですが、SCP-122-JPは人命を奪う手段としてこの方法を選んだのかもしれません。
客に異常を自覚させないのは、確実に衰弱死させるためなのでしょう。
しかしながら、なぜメイド喫茶という回りくどい形式を選んだのでしょうか。
人命が目当てなのであれば、他にも効率的な方法があるはずです。
捕食施設説
SCP-122-JPは人間を餌として利用する生物、あるいは施設そのものが巨大な生命体である可能性を提示します。
客を魅了し何度も来店させ、少しずつ生命力を吸収する性質があるのかもしれません。
SCP-122-JP-1は、そんな捕食を容易にするための装置であるとも考えられます。
実際に、このSCPの危険性を知った上で訪れた財団のエージェントの前で、SCP-122-JP-1は約1.5秒間高周波の音声を発信しました。まるでバグった機械のように。
この際、SCP-122-JP-1は次のような声を高速で発していることが解析により判明しました。
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http://scp-jp.wikidot.com/scp-122-jp
心理依存説
こちらは精神影響を重視した説です。
SCP-122-JPは、来客の組織を料理へ変換している可能性が高いです。
しかし、それだけでは「なぜ衰弱に気付かないのか」を説明できません。
そのため「人の組織を少しずつ消費する仕組み」と「依存させる精神影響」が同時に存在している可能性が考えられます。
財団の記憶処理で回復することも、この説と相性がよく感じられます。
擬似交流説
SCP-122-JP-1は「食事」を提供しているのではなく、人との交流を求めている可能性があります。
通常のメイド喫茶は、食事のみならず接客や親密さもうりにしています。
仮に、SCP-122-JP-1が人間との関係を必要としている存在であるならば、客を何度も来店させようとする理由も説明できます。
有力説
投稿者は「心理依存説」が最も説明しやすいように感じます。
理由は、作中で起きている現象の多くを比較的自然に説明できるためです。
- 客が健康状態を認識できない
- 記憶処理で回復可能
- 美味という感想が共通している
これは、肉体異常というよりも認知の異常性に近い特徴のように感じられます。
結論
SCP-122-JPは、人を直接襲う怪物ではありません。
むしろ、疑似的な「幸福感」や「満足感」を過剰に与えることにより、人間を破滅へ導く異常存在と言えるのかもしれません。
SCP-122-JPとSCP-999
このSCPと対照的な存在としてSCP-999 くすぐりオバケが挙げられます。
SCP-999も幸福感を与える存在ですが、こちらは対象を衰弱させません。
同じ「幸福を与える」能力であっても…
SCP-999は人やSCPの感情に干渉し精神状態を安定させ、SCP-122-JPは来客を依存させ破滅に導くという対照的な性質があります。
まとめ
SCP-122-JPの恐ろしさは怪物が襲ってくることではありません。
「幸せだと思っているうちに少しずつ死へ向かう」という事実にあります。
このSCPの危険性は「客が感じる満たされた気分」なのかもしれません。
余談
作中には「ハートフル」という表現が登場します。
「ハートフル」は日本では「心温まる」という意味で使われる和製英語です。
しかし、発音すると英語の「hurtful(傷つける)」に聞こえるという注釈が作中に存在します。
そのため、このSCPは「心温まる場所」に見えながら、実際は人を傷つける場所であることを暗示しているのかもしれません。
最後に
タイトル: SCP-122-JP – 問題の多いメイド喫茶
作者: mary0228
ソース: http://scp-jp.wikidot.com/scp-122-jp
ライセンス: CC BY-SA 3.0



