決して目を背けるな。

SCP-173(彫刻 – オリジナル)

目を離した瞬間に高速で移動し、対象を×害する危険なSCPです。

一方で、誰かに見られている間は完全に静止する特徴を持っています。

なぜSCP-173は見られている間だけ動かないのでしょうか。

そしてその制約は、どのような原理によって成り立っているのでしょうか。

本記事では、SCP-173の行動原理と「視線による拘束」の謎について考察していきます。

ありつむぎ
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なお、彫刻 – オリジナルは、コミュニティにて初めて誕生したSCPであり、最も多く言及された存在でもあります。当時は画像が使用されていたものの、その製作者であるMoto42氏の「SCP-173の外見はそれぞれで思うように想像して欲しい」という意向を尊重したことから、現在公式サイトから画像は削除されています。

SCP-173とは何か

まずは概要について。

SCP-173は、コンクリートと鉄筋で構成された彫刻のような外見です。

オブジェクトクラスはEuclid(影響範囲が限定されているものの挙動が予測不可能なクラスのSCPの総称)。

人間が視線を外した瞬間に高速移動し首を折り×害します。

このSCPが持つ最大の特徴は「観測されている間、つまり他の誰かに見られている間は動けない」という制約です。

そのため、複数人で常に視線を向け続けることにより機能停止が可能となっています。

そして、見られている間は動けないという事実は、SCP-173の存在そのものに関わる重要な異常性であると考えられます。

なぜSCP-173は見られると止まるのか?

SCP-173の異常性にはいくつかの疑問があります。

  • なぜ視線も向けただけで動きを封じられるのか?
  • なぜ完全な監視ではなく「見る」という認識のみで能力を封じられるのか?
  • なぜ目を離した瞬間にのみ行動するのか?

これらを踏まえると、SCP-173は単なる物理的な異常存在ではなく「観測」や「認識」と深く結びついた存在である可能性が見えてきます。

仮説1 観測者依存説

SCP-173は「他者に観測されるかどうか」によって状態が変化する存在であると考えます。

観測されている→状態が固定される。

観測が途切れる→行動可能になる。

この仮説で重要なのは「行動する」のではなく「観測の有無により結果が発生する」ということです。

即ち、SCP-173は観測が途切れた際、高速で移動しているのではなく「首を折っている状態」へと現実を書き換えている。そう解釈できました。

この場合、このSCPは時間や因果に干渉している存在ということになります。

仮説2 認識干渉説

SCP-173は、人間の認識そのものに影響を受ける存在という説も提唱します。

つまり、SCP-173は人間の認識によって「動かない存在」として固定されている可能性があるということです。

逆に言えば、認識が途切れた瞬間制約が解除され行動可能になります。

この場合、認識され続けているかどうかが重要になります。

SCP-173は見られるという行為ではなく認識のルールに従って動いている。そういうことになります。

このように、視線ではなく「認識」が鍵である場合、SCP-173は自身の意思とは無関係に認識されなければ動けない存在。そのようにも解釈可能です。

有力説

投稿者は、仮説1の観測者依存説を支持します。

目を背けた相手の首を折るというシンプルで凶悪なSCPとなっているものの、その異常性は対象者が視線を外した場合にのみ機能します。

観測が途切れて行動可能になり、それから結果を塗り替えているというのは合点がいきました。

そのため、目を背けなければ理論上は被害を防げるでしょう。

ありつむぎ
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実際に、このSCPは収容されているため財団側が留意すれば被害は出ないと見られています。

結論 SCP-173の本質とは何か

以上の仮説を踏まえると、SCP-173は単なる高速移動する存在ではありません。

見られていない時に結果を確定させる現象の可能性があります。

その行動は物理的な制約ではありません。

見られているかどうかという条件によって決定されているのです。

SCP-173の恐怖は、その攻撃速度や殺傷能力だけでなく「目を離した瞬間にしか動けない」という不可思議なルールに縛られているということ。

目を離したその一瞬で結果が決まる。この理不尽さが本質なのでしょう。

  • 「観測が途切れた瞬間に結果を成立させる存在」
  • 「見ていない間に全てが終わっている」

だからこそ、人はSCP-173の行動に対応できない。こうした異常性もSCP-173の恐ろしいポイントです。

視線である必要はあるのか?

このSCPの動きのトリガーが視線である場合

  • カメラ越しでも止まるのか?
  • 録画映像でも有効なのか?
  • 盲目の人物が見ても拘束できるのか?

といった疑問が生まれます。

ありつむぎ
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報告書には記述されていないため想像に過ぎませんが、もし録画や監視カメラを使用した際に機能する場合「記録された認識」もSCP-173の行動を止める条件になるでしょう。

SCP-096との対比

個人的に興味深いと感じられたのは、SCP-096(シャイガイ)との対比です。

SCP-173は見られていない時に機能し、SCP-096は見られたことで行動を始めます。

この2つの性質は相反しています。

こうした比較から分かるのは「他にも、認識が行動のトリガーになるSCP」が存在するという事実です。

そして、SCP-173もその1つであると考えるのが自然でしょう。

SCP-173とSCP-682

SCP-682との実験記録において、SCP-682(不死身の爬虫類)をSCP-173の収容室に誘導し、SCP-682に外傷を負わせたものの×害には至りませんでした。

  • SCP-173は×害結果を成立させる存在
  • SCP-682は×亡という結果を拒否する存在

この2つのSCPの性質は衝突していることが分かるかと思います。

そして、SCP-682を×害できなかったことから、SCP-173の能力は万能ではなく限界があると見られるでしょう。

また、SCP-682を完全に破壊できなかった理由。

それは、SCP-173の能力が「×害という結果の固定」であっても不死身の爬虫類の不死性には干渉できなかったからとも考えられます。

SCP-173は×せる結果だけを成立させる装置であり、SCP-682は結果そのものを拒否する存在と考えると合点がいきます。

まとめ

このSCPをまとめると次のようになります。

  • SCP‐173はコンクリートと鉄筋で構成されているSCP。起源は不明。
  • 人間を敵視しており、視線を逸らした相手を×害する。
  • SCP‐173とSCP-096の性質は相反している。
  • 不死身の爬虫類の×害には至っていない。
ありつむぎ
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最後に

ありつむぎ
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内容は以上です。ここまで読んでいただきありがとうございました。
タイトル: SCP-173 – 彫刻 – オリジナル
原語版タイトル: SCP-173 – The Sculpture – The Original
訳者: Dr Devan
原語版作者: Moto42

実験記録:http://scp-jp.wikidot.com/experiment-log-t-98816-oc108-682

ライセンス: CC BY-SA 3.0

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