どうも、ありつむぎです。
今回は、2chに投稿された洒落にならないほど怖い話「不思議な場所から帰れなかったかもしれない」を取り上げていきます。
参考にしたリンクは以下の通りです。
https://horror2ch.com/archives/post-1856.html
はじまり
2012年、最初に投稿者の男性は、2chにおいて「もうかれこれ3ヶ月ぐらい経って落ち着いたから書く」と突然書き込みました。
続けて「なるべく分かりやすく書くように努力する」と言いました。さらに、年齢は32歳で現在はIT関連の自営業を行っているといった簡単な個人情報を公開します。
それから、問題の出来事が起きた約3か月前に遡ると話し始めました。
当時の自分は自室にこもり、とある客に対して提出しなければならない書類の製作に苦労していたとのこと。
そんなとき、朝10時頃に男性の携帯電話がやかましく鳴り響きます。
それを手に取ると、商売相手の会社の会長のクレームが聞こえてきました。男性から購入したプリンターが起動しないというクレームでした。
そして、男性は素直に謝罪をして「すぐに向かいます」と言ってから電話を切り、急いで書類を作り終えると、車に乗り込んでエンジンをかけてその会社に向かいました。
なお、その会社の距離はおよそ35キロあり、通常通り運転をすれば1時間20分はかかってしまうそうです。
そのため、男性は車を運転している途中で運転が面倒になったらしく、車を無料の駐車場に停めてから、いつも利用している駅の改札口を抜け、電車でその場所に向かおうと考えました。
ですが、疲労で精神が限界に達していたからなのか、不可解にも停めた車に積んであった折り畳み自転車を引っ張り出したそうなのです。
それから、コンビニでパンを購入した後、男性の姿を見て苦笑いを浮かべつつも通してくれた駅員を見ながら自転車を抱えつつ、買っておいた切符を使って改札口を抜けていきました。
怪異
このように、意味不明な行動に出た男性でしたが、この時は自身の行動の不自然さに気が付いていませんでした。
そのままぼんやりと駅のホームで棒立ちになり、電車を待っていました。
それから、約10分後に多くの客を乗せた電車がやってきます。男性は空いていた座席に座り、自身の前方に自転車を降ろしました。
しかし、この時の男性によると、目にした全ての電車の利用客がまるでマネキンのように真っ直ぐ前を向いて手に膝を置いており、全く動かなかったと言います。
それから、電車は新幹線のような速度で走り出し、暫くの間走っていると「次は軍事工場跡。軍事工場跡です」という謎めいたアナウンスが聞こえてきました。
そして、その電車は速度を落としながらトンネルを抜け、柱時計や人すら存在しない、空が薄暗い謎の駅に停まりました。
それから、男性は電車から降りてコンクリートの階段が設置されている駅の改札口に向かったのですが、その近くには木造のアパートのような不思議な建造物が建っていました。
そして、そのアパートの1階の近くには、大きな文字で「チャーハン屋」と書かれている看板が設置されていました。
その近くにある厨房と思しき室内では、謎の男が大きな鍋を使って料理を作っていました。その後、男性は男に対して今何時か訪ねたところ、なんと「5時34分」という答えが返ってきたそうです。
そのため、男性はここに来る前にクレームを入れてきた会社の会長の存在が浮かび、急いでこの場から立ち去って会社に行かなければならないと考えるようになります。
ですが、トンネルの中は暗闇であることを知り、一度くぐったらこの場所にさえも戻って来ることができないだろうと直感的に判断したため諦めざるを得ませんでした。
また、先ほどの男に電車が来る時間を尋ねたものの、「まだ来ねえよ」と言われてしまいます。さらに、追い打ちをかけるように携帯電話の電波は圏外であったため会社に連絡を入れることさえできず、途方に暮れるのでした。
なお、この時男性は、男の姿が、自身がサラリーマン時代に共に働いていた「野中」という人物に見えたようで、思わず「野中さんですよね?」と尋ねました。
しかし、男は「野中?あー。俺の叔父は野中っていう名前だったな。随分前に死んでしまったけどな」と意味深な返答をしたそうです。
幻想的な光景と脱出劇
そうこうしているうちに、6両の列車を牽引しているトラックのような乗り物が駅の4番ホームにやって来ました。
そして、料理を作っていた男は、チャーハンが盛られている皿を片手に建物から飛び出し、トラックの運転席に乗っている人物に手渡します。
そのため、男性はこのトラックに乗れば元の場所に変えることが出来ると思い、トラックに乗り込もうと走り出しました。
ですが、トラックは男性を無視するかのようにエンジンをふかして走り去っていってしまいました。その後、トラックは再度やってくると考えつつ、チャーハン屋の近くにいったん戻ることにしました。
すると、そこで男性は男が作ったチャーハンにカレーのルーがかかっている料理の上に座る、ふさふさの毛を持つ小さなウズラを目にします。
どうやら、このウズラは「ピーちゃん」という名前が与えられている男のペットであるようです。不思議な話ですが、この料理の中で生活をしていると言います。
そして、何の気なしに買っておいたパンを差し出すと、ピーちゃんはそれを半分食べて料理の中に姿を消していきました。
このような幻想的な光景を目にした後、男性は1番ホームに列車が来たことを確認すると、無意識のうちに自転車を抱えた状態で走り、列車に乗り込みました。
走る列車内で携帯電話を開いた時、電波が繋がる状態になっていました。
そのため、クレームを入れてきた会社に電話をかけたのですが、ブツブツと電波が途切れる音と共に、電話口から「お客様の電話番号は圏外です」という声が電話口から聞こえてきたのです。
そして、この時男性は、和楽器の音が鳴り響き、片足のない男性が潜んでいるとされる異界駅「きさらぎ駅」を思い出してしまい、今自分はそれに近しい場所にいるのではないかと考えて、恐怖で震え始めるのでした。
帰還と結末
それから男性は、自身が乗せた列車が停まってドアが開いたことを知ると共に、その反対側に同じく停車していてドアが開いている誰も乗っていない謎の列車を目撃しました。
そして、「この列車に乗らなきゃいけない」という思いに突き動かされ、自転車を蹴り飛ばして乗り込みます。
その後は携帯電話を握りしめながら目をつむって「どうか元の世界に戻れますように」と必死に願い続けたようです。
すると、列車はおよそ30分程度の走行の末に停まり、ドアが開いた先に広がっていたのは、いつも男性が利用している現実世界の駅でした。
携帯電話で時間を確認すると、そこには午前 11時40分と表示されていました。その後、駅から出た後に車の戻って会社に向かいます。そこで会長に怒鳴られたものの、この奇妙な体験と比べると全く怖くなかったそうです。
それから、男性は自身が確実に現実世界に戻って来たかどうかをスレ民たちに尋ね始めました。それと同時に、この先奇妙な世界に行ってしまった際は、所持している携帯電話の電波の状況を確認した方がいいと勧めるようになります。
すると、スレ民からは、男性が生きていたことに安堵する声や現実世界の野中と男性が遭遇した奇妙な世界との接点の有無を尋ねる声があがりました。
そして、男性はそれらに対して「ありがとう。もうずいぶん落ち着いたよ」「勤めていた会社を退社してから野中とは一度も会っていないから分からない」などと丁寧に返答していきます。
また、「夢かもしれないけど面白い」と言うスレ民、自転車は寝ぼけてどこかに置いてきた可能性があるとして、残り半分のパンはどうなったのかを尋ねるスレ民も登場しました。
そのスレ民に対して「実はパンは半分ではなく結局全部ピーちゃんにあげてきたよ」と答える男性。
その後、男性は「自転車は紛失したが紛失届は提出していない。もし提出したら駅に呼び出され、それをきっかけに奇妙な世界の出来事を鮮明に思い出してしまう可能性がある」といった意味の書き込みを行いました。
また、この体験は自分にとって強烈なトラウマになったことを明かすと、この話はそのまま静かに終わりを迎えました。
最後に
以上で解説を終了します。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
提供:キリン【考察系youtuber】
https://www.youtube.com/watch?v=8WxcST5Sqhc&t=67s