生物

世界に存在する見るもおぞましい寄生虫5選

この記事には、気分を害する恐れのある内容が含まれています。お読みの際はご注意ください。

どうも、ありつむぎです。

今回は、世の中に存在するおぞましい寄生虫について取り上げていきます。

過激な画像を取り扱っているためモザイク加工を施しています。

この記事で取り扱う4匹のうち、1匹は人以外の動物に寄生する寄生虫となっています。

あの有名な寄生虫「日本住血吸虫」については以下の記事で取り上げています。

アニサキス

引用:https://gyogun.net/blog/lookingup/%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%82%B5%E3%82%AD%E3%82%B9%E7%97%87%E3%81%A8%E4%BA%88%E9%98%B2%E6%96%B9%E6%B3%95/

 

アニサキスは、海洋生物などに寄生する世界的に見られる寄生虫の名称です。具体的に言うと、アニサキス亜科に属する線虫の総称となっています。

一般的には、長さ11ミリから37ミリ程度の白くて細い小さな生物として知られています。

まず、アニサキスの卵は海中で孵化して、オキアミなどの小型の甲殻類に寄生します。その中で成長すると、今度は中間宿主となるイカや魚類の内臓などに寄生してさらに成長を続けます。

そして、その中間宿主が最終宿主となるクジラやイルカに捕食されると、アニサキスはその消化管の中で成虫となるのです。また、自身が産んだ卵はそんな海生哺乳類の排泄物と共に海に放出します。その卵がまた孵化して・・・といった流れです。

アニサキスは、クジラやイルカに寄生可能になるほど成長した時点で人体にも寄生できるようになります。

そのため、アニサキスが潜む魚介類を口にした場合は胃や腸などに寄生され、強烈な腹痛と嘔吐を引き起こされることがあります。

なお、胃に寄生して引き起こされる症状は胃アニサキス症、腸の場合は腸アニサキス症、腸間膜や大膜などの場合は消化管外アニサキス症と呼ばれます。消化管外アニサキス症の場合は、肉芽腫(にくげしゅ)と呼ばれる炎症を引き起こすことがあります。

また、蕁麻疹などの症状が引き起こされるアニサキスアレルギーと呼ばれるものもあります。

アニサキスが引き起こしていたと思しき症状は古くからあったとされていますが、それが確定したのは1960年代になってからとなっています。

日本では、魚介類を刺身や寿司といった形で生で食べる文化が定着していることから、外国と比較するとアニサキスの被害者が多いとされています。

海で獲れたおよそ160種類の魚介類は感染源になるとされており、中でも、アジ、イワシ、イカ、サンマなどを生で食べたことで寄生されることが多々あるようです。

そして、アニサキスによる被害を防ぐ方法として、魚介類をマイナス20度以下の環境で1日以上冷凍することが挙げられます。また、熱に弱いため60度以上の熱で1分以上加熱することも効果的です。

もしくは、さばいた魚から物理的にアニサキスを除去することも対策の1つとなっています。内臓の他、内臓と内臓に近い筋肉などに潜んでいる可能性が高いと言われています。その部分を探すといいかもしれません。

ちなみに、ワサビを始めとした薬味に付けて食べる。アニサキスは歯で傷つけるとすぐに絶命する。魚を薄く切断するといった話について。

なぜこうした話が出回ったのかは不明ですが、これらもアニサキスの予防に有効だと信じられていました。

しかし、ワサビを付けて食べても、少し歯を当てても、薄く切断しても効果がありません。こうした話はアニサキスの対策として誤りとなっています。

薬味はアニサキスの動きを一時的に鈍くさせる程度となっています。アニサキスの体は固いため、意識して念入りに咀嚼しなければかみ殺すことは不可能です。

また、魚を薄く切断したとしてもアニサキスが残っている可能性があるため、目視して取り除くことが重要です。

そして、現在日本では、生食用の魚介類をマイナス20度以下で24時間以上冷凍保存して、アメリカではマイナス35度以下で15時間、もしくはマイナス20度以下で7日間冷凍保蔵することでアニサキスの対策を行っています。

ロイコクロディウム

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A6%E3%83%A0

 

ロイコクロディウムは、レウコクロリディウムともロイコクロリジウムとも呼ばれている、カタツムリや鳥に寄生する雌雄同体の寄生虫です。

北海道などでその存在が確認されていて、現時点において人に寄生したという話は確認されていません。

この寄生虫は、最終宿主となる寄生した鳥の腸に貼りつき、栄養を得ながら排泄物と共に卵を放出し、それを食べた中間宿主のカタツムリに寄生します。

宿主が死亡するとこの寄生虫も死亡します。また、宿主よりも先に死亡するパターンもあるようです。

この寄生虫の卵はカタツムリの消化管の中で孵化し、その個体は無性生殖を行って夥しい数の幼虫を生み出します。

それから、それらの幼虫は派手な色のチューブ状の袋「ブルードサック」を作り、その中に入り込むと、カタツムリの触覚に突出させます。

つまり、カタツムリの触覚に見える緑色の物体はブルードサックということになります。

この記事の画像で見られるものは緑色ですが、赤の縦じまを持つものもあるようです。

ブルードサックは、色合いが派手である上に芋虫のように独特の動きを見せるため、カタツムリの天敵となる鳥に狙われやすいことが特徴です。ロイコクロディウムの最終宿主は鳥なので、一刻も早く捕食されたいがために本能的に動いているのでしょう。

それに加えて、鳥に捕食される確率を向上させるためなのか、この中に入っている個体群は、暗所を好むカタツムリの本能に反して、日の当たる葉っぱの上や高い位置、より遠くまでカタツムリを移動させると言われています。

ただし、カタツムリの視界がブルードサックによって制限されているため、カタツムリ自身が意図せずこうした行動を取っているという説も存在しています。

そして、鳥の体内に侵入した後は、消化器内でブルードサックに入っていた大量の個体が放出され、時間をかけて成虫になるのです。

それから、成虫は鳥の腸内で卵を産み、鳥の排泄物と共に外部に卵を出す。その卵を食べたカタツムリを・・・といったサイクルを現在も続けています。

ちなみに、ロイコクロディウムについては現在も解明されていない謎があり、幼虫と成虫の寿命や、寄生したカタツムリの触覚にブルードサックが移動する仕組みは分かっていません。また、ブルードサックの制御方法も謎に満ちています。

加えて、寄生されたカタツムリが鳥に捕食される瞬間は観察されていないため、鳥はブルードサックのみをついばむのか、はたまたカタツムリごと食べるのかさえも不明のままです。

なお、ロイコクロディウムで画像検索をすると、この寄生虫に寄生されて触覚にブルードサックが突出したモザイク加工なしのカタツムリの画像が表示されます。苦手な方はご注意ください。

サナダムシ

引用:https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/11/post-97494.php

 

サナダムシは、真田紐に似ていることから名付けられた寄生虫の総称です。

口は存在せず、体表から栄養分を吸収するという面白い特徴があります。

この寄生虫の幼虫の体長は2センチ程度ですが、成虫になると1日10センチのペースで急速に成長していきます。

日本全国のみならず、南アメリカやアジアの他、衛生状態が不十分な国でもその存在が確認されています。

そんなサナダムシに含まれる寄生虫として、有鉤条虫(ゆうこうじょうちゅう)無鉤(むこう)条虫広節裂頭(こうせつれっとう)条虫日本海裂頭条虫などがあります。これらはすべて人に寄生する寄生虫です。

また、次の項目で解説しますが芽殖孤虫と呼ばれる謎に満ちた寄生虫もサナダムシの仲間です。

そんなサナダムシには、大きく分けてサケやマスなどの海洋生物に寄生するタイプ豚や牛などの陸上生物に寄生するタイプの2種類が存在しています。

例として日本海裂頭条虫を挙げます。海洋生物に寄生するタイプです。

この寄生虫の卵は、海中や川の中で孵化して、1番目の中間宿主であるミジンコに捕食されてから体内で成長を続けていきます。

その後、寄生されたミジンコを口にした2番目の中間宿主のサケやマスに寄生し、この時点で1センチから2センチ程度の乳白色の細長い虫体となります。

そして、適切に処理されていない寄生されたサケやマスが人に捕食されると、今度はその人の胃や小腸に向かっていき、成長を続けて約1か月で成虫となります。

この成虫の長さは全長5メートルから10メートルとなっています。

それから、腸内でおよそ100万個もの卵を産み出して排泄物と共に放出します。

そしてその卵が水の中で孵化して・・・といったサイクルを行っているのです。

日本海裂頭条虫がもたらす被害は腹痛や腹部の違和感程度であり、中には無症状という人もいるようです。また、虫体が非常に長いため、寄生されている場合は肛門からその一部が落ちてくることもあるとのこと。

なので、危険であることには変わりありませんが、この寄生虫の症状自体は比較的軽い部類に入るかと思います。

寄生されないための対策として、寄生されている魚を56度以上に加熱することやマイナス20度以下で24時間以上冷凍することが挙げられます。魚から寄生虫本体を物理的に除去することも効果的です。

次に有鉤条虫とその幼虫の有鉤嚢虫(のうちゅう)についてです。

この寄生虫の感染源は、豚やイノシシの他、ヒツジ、シカ、イヌ、ネコ、ネズミなどの陸上生物となっています。

この寄生虫が含まれている動物を十分加熱せずに食べてしまうと、有鉤嚢虫は人の小腸に移動して成長していき、有鉤条虫に成長します。

そして、有鉤条虫は他の寄生虫のご多分に漏れず、卵を排泄物と共に放出し、それに汚染された飲食物を口にした動物の体内で孵化して生命サイクルを維持しているのです。

なお、有鉤嚢虫は小腸のみならず生物のありとあらゆる部位に寄生する危険性を秘めています。

なので、脳に寄生されて卵を多数産み落とされた挙句、脳が寄生虫だらけになるという事態に発展することもあり得るのです。すると、体の痙攣や意識の喪失などの症状が起こる上に死亡することもあります。

この寄生虫の侵入を防ぐ対策として、豚肉であればマイナス5度で4日間冷凍保存することが挙げられます。他にも、マイナス15度で3日間、マイナス24度の場合は1日冷凍すれば有鉤嚢虫を死滅させることが可能です。

そして、生もしくは不完全調理での豚肉の摂食と、海外の流行地においての生水や生野菜の飲食を避けることが何よりの対策として挙げられます。

つまるところ、サナダムシの枠組みにある寄生虫の中でも、症状の軽い寄生虫と重い寄生虫が存在しているということです。

ちなみに、2021年3月のタイにおいて、60代の男性からサナダムシの一種である寄生虫「カギナシサナダ」の最長の個体が発見されました。カギナシサナダの中間宿主は牛で、その生肉を食べると人に寄生することがあります。

そして、その長さを測ったところ、なんと18メートルまで成長していたことが判明しました。そのため、研究チームはこのカギナシサナダをホルマリン漬けにして調査を進める予定だそうです。

芽殖孤虫

引用:https://www.asahi.com/articles/ASP6L32FKP6JPLBJ008.html

 

芽殖孤虫(がしょくこちゅう)は、白くて小さな糸くずのような見た目をしている近年においても謎の多い不可解な寄生虫です。成虫の姿さえ分かっていません。

ヘビ、カエル、鶏、ミジンコなどが感染源になっていると考えられていますが、生活サイクルや人に寄生するまでの流れさえも不明です。生息地さえも不確かなままです。

対処法は、寄生した芽殖孤虫を外科的に摘出することのみとなっています。そのため、おびただしい数まで増殖した際は対処が実質不可能になります。

こうしたことから、一時期は空想上の寄生虫だとされていたのですが、2021年5月に日本から芽殖孤虫に関する論文が公開されると共にその存在が証明され、一部のマニアの間で盛り上がりを見せたようです。

芽殖孤虫は、人のみならず犬、猫、猿にも寄生することが分かっていますが、これまで報告されている件数は世界でわずか18件しかありません。

1904年に東京都在住の一般女性の被害の報告から始まり、タイ、台湾、アメリカ、ベネズエラなどでも報告がありましたが、日本では1904年から1987年にかけて年齢性別を問わずに様々な人が寄生されていました。報告数は6件と最多となっています。

そして、寄生後の芽殖孤虫は未知の方法で個体数を急速に増やして、皮膚や筋肉、臓器、骨、脳などに拡散することが分かっています。それによって臓器や脳の機能が阻害されるため、対処が遅れれば致死率がほぼ100%に達するのです。

なお、芽殖孤虫はマンソン裂頭条虫というヘビやカエルに寄生する寄生虫と近縁であるとされているのですが、マンソン裂頭条虫と比べると遺伝子数が少ない上に、成虫になるために必要とされる遺伝子を欠いていることが分かっています。

また、他の生物では見出されていない機能不明のタンパク質を活発に発現していることも判明しており、増々謎が深まっています。

そして現在、芽殖孤虫の本来の終宿主はネコ科の動物であり、有性生殖を行う機能を失っている可能性が示唆されています。さらに、芽殖孤虫は成虫段階を持たず、幼虫のみで存在する真の孤虫であるとする説も提唱されています。

メジナ虫

引用:https://www.cnn.co.jp/world/35048257-2.html

 

メジナ虫は、ギニア虫ともギニアワームとも呼ばれている、雌雄が分かれている糸状の寄生虫です。メスの平均的な長さはおよそ80センチであるのに対し、オスはわずか4センチ程度となっています。

生息地は、主に気温が高くて衛生環境の悪いアフリカの国々となっていて、手始めに、この寄生虫は親となるメスの成虫から水中に放出された後、小型の甲殻類やミジンコに寄生します。

そして、それらを含む水を飲んだ人の体に入ると共に寄生し、腸壁を貫通して腹腔に入ってから約1年で成虫に成長。他の成虫との交配を終えると、メスの成虫は子を宿した状態で外部に出るために皮下組織に移動します。

その際、寄生された人に対して焼けつくような不快感をもたらす水疱を形成します。9割は下肢に形成します。

これにより、寄生された人はこの灼熱感を少しでも抑えるために患部を水に浸すことになります。それから水疱を内側から破って姿を見せると何千もの幼虫を水中に放出するのです。

そして、幼虫は水中のミジンコや小型の甲殻類に寄生し、そんな生物が含まれている淀んだ水を口にした人の体に入って・・・といった流れを繰り返すのです。なお、子を宿したメスの成虫が皮膚に到達できないこともあり、その場合は死亡します。

ちなみに、メスの成虫は体内にいるときに有害な物質を放出するのですが、その物質が呼吸困難や嘔吐などの生活に支障をきたす症状を引き起こすことがあります。

また、メスの成虫が体から排出された後は水疱こそ治るものの、破れた皮膚から細菌が侵入して炎症が引き起こされることもあります。さらに、水疱の付近にある関節と腱が損傷し、関節痛やその他の関節炎の症状が現れるといったように、メジナ虫によって第二第三もの被害がもたらされることがあるのです。

被害についてですが、1980年代半ばには推定されるだけでも20カ国で約350万人がメジナ虫の被害を受けているとされていました。

また、こうした症状を予防するワクチンや治療薬はおろかメジナ虫を死滅させる薬もありません。なので、飲料水の汚染の防止を呼び掛けながら飲み水を煮沸するといったように、メジナ虫に対する予防が重要です。

寄生された場合は、姿を見せたメスの成虫の頭をつかみ、用意した棒に巻き付ける形で物理的に除去することが対処法として挙げられます。

メスの成虫の長さは最大で1.2メートルに達するため、完全に除去するには数日から数週間かかります。ただし、医療従事者の場合は患部に麻酔を施した上で小さく切開して取り除くことも可能です。除去した後は、炎症の予防策として抗生物質を患部に塗布してガーゼで覆う作業も行っています。

そして、そんな取り組みが功を奏したようで、2012年にはメジナ虫に寄生された人が542人に、2016年には世界中で25人となったと言います。

メジナ虫は根絶間近だそうです。

なお、メジナ虫に寄生される原因として、清潔な水源からの飲料水をほぼ確保できない、もしくはまったく確保できない不衛生な生活環境によるものだとされています。

最後に

以上で解説を終了します。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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ありつむぎ
ありつむぎです。ライター兼ブロガーです。 サブカルチャーを始めとした幅広いジャンルの情報を紹介します。 未成年者に適さない記事と画像リンクなども掲載しているのでご注意ください。 お仕事の依頼および広告掲載のご相談等は、私のXアカウント(@kmz811)へのDMもしくはサイト内のお問い合わせフォームからお願いします。
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