
今回のブログでは、日本の歌手が奏でる怖い曲を5つ紹介していきます。
うらみ・ます
うらみ・ますは、シンガーソングライターの「中島みゆき」さんの曲で1980年に発表されたアルバム「生きていてもいいですか」に収録されています。
ゆったりとしたテンポと力強い歌唱力で展開されるこの曲の歌詞は、出だしから「うらみます」という物騒な単語が何度も出てくることが特徴で、1人の女性が抱えている憎悪や怨念が曲全体に表現されていて、とにかく救いのない暗く重い曲となっています。
そしてこの歌詞の中にある
どうせ優しくないもの
いいやつと思われなくたっていいもの
という言葉からは、好き勝手にされた男を許してやれるほど私は完璧な人間ではない、といったような吹っ切れた印象を受けさせます
さらに、
ふられたての女くらいおとしやすいものはないんだってね
という歌詞には、失恋して落ち込んでいた自分を平気で弄んだ1人の人物に向けた激しい憎しみと悲しみが含まれていることが分かります。
また、曲の序盤から終盤にかけてほとんど絶えることなく「うらみます」と、自身の抱えている怨念をゆったりと吐き出し続け、曲の後半になると曲調も激しさを増していきます。
途中で、歌っている当の本人の中島みゆきさん自身が涙を流すほどに激しい感情が露わになっていきます。
そして、最期は
うらみます、あんたのことを死ぬまで
という言葉で締めくくるという、何とも後味が悪いながらも破滅的な美しさを感じさせる曲となっています。
なお、曲のタイトルに含まれている「うらみ・ます」の間の「・」は、「うらみます」と一声で言えない、歌い手のためらいや葛藤を表現しているのだそうです。
好き好き大好き
好き好き大好きは、女優兼歌手の「戸川純」さんの曲で、1985年に発表されたアルバム「好き好き大好き」に収録されています。
明るいメロディと個性的な歌声が特徴的なこの曲は、1人の女性の熱烈な愛を綴った歌詞が展開されていきます。
勃発したバラ色の恋
暴力的とも言える程の純愛
などと言った、強い愛情を歌っているかと思えば
Kiss me殴るよに唇に血が滲むほど
Hold meあばらが音を立てて折れるほど
と言った暴力的で恐ろしい歌詞が続き、続けざまに
好き好き大好き
と、異常とも言える猟奇的な好意がつづられています。
そして、しまいには
愛してるって言わなきゃ殺す
という、明るい恋愛ソングに使うにはあまりに不相応かつ衝撃的な歌詞が登場します。
この曲は、冒頭から終わりにかけて1人の女性が抱えている一方的で狂った愛と同時に強烈な殺意が込められており、2番の歌詞も同様にいびつな愛が語られ曲が終わります。
そしてこの曲を聴いた人たちは、特定の人物に対する溺愛っぷりと、明るくポップな歌い方に相反する「殺す」などという物騒な歌詞に強いギャップを覚えてますます恐怖しました。
ですが、その反面
- 「時代が追い付いていない」
- 「唯一無二の奇才」
などと、その世界観にドハマりする人も続出しています。
貴方解剖純愛歌~死ね~
この曲は、シンガーソングライターの「あいみょん」さんの2015年に発表されたデビューシングル曲です。
明るくハイテンポな曲調の中で歌われるこの曲は、終始恋人に対する狂気が語られています。
例えば
あなたの腕を切り落として私の腰に巻き付ける
あなたの両目をくり抜いて私のポッケに入れる
などの猟奇的な歌詞が堂々と歌われることに加え
死ね。私を好きじゃないならば
と、自身の愛を拒絶する相手に対して躊躇なく殺意を向けてきます。
このように、曲のタイトルには「純愛」と書かれてはいるのですが、歌詞を見る限り「狂愛」と言う他ありません。
とにかく最初から最後まで歌詞が怖すぎる曲なのですが、この曲を手掛けたあいみょんさんによると
- 「この曲の描写は全て比喩。執念深く書いた曲ではない」
- 「恋している女性の気持ちを代弁しただけである」
と話しており、「あくまでピュアな一般女性が抱える好きな人への思いを書いただけ」ということのようです。
さらに、この曲を聴いた多くの若い一般女性がこの歌詞に共感しているようです。
とはいえ、本人が純愛を歌っているつもりでもこの曲の歌詞が表面的には非常に過激かつグロテスクだということは事実です。
そのため、実際にこの曲を披露した際、あいみょんさんの精神状態を心配したあいみょんさんの実の祖母からご本人に電話がかかってきたり「歌詞が直球で残酷過ぎる」という理由からラジオやテレビ番組でこの曲を放送できない場合もあったとのことです。
加えて、この曲を聴いた一般の人たちからは
- 「はっきり言って怖い」
- 「歌詞が重すぎる」
などのコメントも見られる一方で
- 「狂おしいほど好き」
- 「最初怖かったけどハマった」
- 「わかる」
といった若い女性からコメントが投稿され、近年屈指の人気曲として親しまれています。
呪い
呪いは、シンガーソングライターの「山崎ハコ」さんの曲で、1979年に発表されたアルバム「人間まがい」に収録されています。
陰鬱で暗い雰囲気が続くこの曲は、はじめに何かを砕いているような乾いた音が響き、少しの間をおいてから淡々と始まります。
コンコンコンコン釘をさす
わらの人形釘をさす
などの歌詞から、藁人形と釘を使った呪術である「丑の刻参り」を彷彿とさせ
私いつまで釘をさす
わたしがこうした うらんで釘をさす
と、呪いを行っている自身さえもあざ笑うかのような歌詞が悲哀を誘います。
ただ、この歌詞の「呪術を行っている」という解釈は実は違っているようで、山崎ハコさんによると「この曲は、憎い相手を呪うことさえ出来ない自分自身に釘を刺せ」といった内容で、決して誰かを呪うような曲ではないとのことです。
ちなみに、この曲は以外にもあの国民的アニメ「ちびまる子ちゃん」のエンディングテーマとして一度だけ使われたことがあります。
それは、2002年7月に放送された
「まる子、フォークコンサートに行く」
という話のエンディングで「呪い」が流れたのですが、この曲は恐ろしさと悲哀が全面に押し出されていることから、ユーモア溢れるちびまる子ちゃんとのギャップは計り知れません。
そして、当時ちびまる子ちゃんを視聴してこの曲を聴いてしまった子供たちの中には、泣き出したり怯えだしたりしてしまった子も多かったようで、放送後には「子供が怖がっている」と、全国の視聴者からテレビ局に苦情が寄せられたそうです。
元カレ殺ス
この曲は、人気バンド「ゴールデンボンバー」の2008年に発表された曲です。
その曲調は非常にハイテンポで爽快感溢れる楽曲なのですが、歌詞の一言目から
元カレ殺ス!
というド直球な歌詞が叫ばれ、次いで「元カレ」なる人物に対する怒りと殺意がつづられ、さらには「ファ×ク!ファ×ク!」といった危険な言葉も飛び出してきます。
また、この歌詞の中の一部には
とても可愛い宝物 誰にも触らせない
君を離さない
などのように、どこか恋人への思いやりを感じれるフレーズも含まれています。
しかしながら、それ以上に「殺したい」というワードが全面的に歌詞に組み込まれているため、「実際に殺したいけど現実的に考えて本当に殺すことはできないから歌で思いをぶつけている」とでも言わんばかりに、元カレに対する異常な憎しみがこの曲に渦巻いています。
また、この曲が作られた経緯としては、ボーカルの鬼龍院さんが自身の恋人の元カレに対して激しい憎悪を感じたことがきっかけなのだそうです。
最後に
以上が、日本生まれの怖い歌詞についてでした。
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