ありつむぎです。

今回は、2011年にファンタジーの世界を舞台とした大ボリュームの悲劇の物語、勇者「魔王倒したし帰るか」を解説します。

2ch系掲示板で生まれた名作SSです。作者は湯葉さんで、現在も作者本人が「小説家になろう」に掲載しています。

参考にしたサイトは以下の通りです。

参考スレッド

湯葉さんの小説家になろうアカウント

また、本作はショッキングな内容から「検索してはいけない言葉@ ウィキ」に「倒したし」というワードで掲載されています。

はじまり

この物語は、長期間の旅の末に魔王を倒した勇者の男性が王様の城に帰還する場面から始まります。

そして、勇者は王様の前で所持していた葉巻を悠々とふかし始め、王様から、勇者の仲間である戦士の男性、魔法使いの女性、僧侶の女性はどこにいるのかと質問を投げかけられました。

このとき勇者は

「死んだよ。俺以外は全員」

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と答えました。

その後、勇者は王様の兵士たちが準備した宴の場に招かれ、王様や兵士、後に現れた姫様が見守る中、用意された豪勢な料理をガツガツと貪りました。

それから、勇者は王様に、これまでの冒険の内容を話してほしいと言われたため、促されるまま壇上に上がり、手始めに冒険中の食事について話し始めました。

食事

勇者によると、これまで自分たちは「人間が暮らす街や村が存在しない魔王の城の近くの土地を旅していたためまともな食糧を手に入れることができない」という問題に悩まされていたと言います。

その問題を解決するために、調理に手間がかかる上に味が悪い魔物たちを仕方がなく食べ続けていたとのこと。

また、魔王城の近くの土地に住む魔物は、人間のように感情を見せたり言葉を話すことができるほど知能が高く、勇者との戦いに破れると必死に命乞いをしてきたとのこと。

しかし、勇者たちは自分たちが生きるためにその命乞いを無視して殺害し、調理し食べてきたそうです。

そんな凄惨な話を聞いた王様たちは沈黙してしまいますが、このような話は序の口で、これから勇者の口から語られるのは、想像を絶する過酷極まりない旅路でした。

戦士の最期

勇者は、自分の仲間のうち、旅の途中で一番初めに死亡した戦士の男性について話し始めました。

どうやら生前の戦士は、持ち前の陽気な性格でパーティ内を明るくしており、戦闘の際は、積極的に体を張って魔物たちとゼロ距離で戦う勇敢さを見せていたとのこと。

こうした戦闘スタイルから、戦士は魔物の攻撃を受けやすく、魔王の城の近辺に生えている特殊な薬草を使って勇者たちが製造した、肉体の傷の治癒や体の部位を再生させる効果を持つ最強のアイテム「超回復薬」に頼り切っていました。

しかし、勇者によると、この超回復薬を一度使うと強い高揚感を覚えると共に、半日に渡って筋肉が緩み、幻覚に苦しめられ、体中を虫が這っている感覚に襲われる副作用が起こるとのこと。

そのため、勇者たちは戦士に精神を落ち着ける魔法をかけながら冒険を続けたそうなのですが、後に戦士の心は超回復薬の副作用で壊れてしまい、末期の戦士は、目をギョロギョロと動かしながらぶつぶつと妄言を口にしていたそうです。

そんな戦士は、魔王の直下の四天王の1体との激闘のあと、非常に凄惨な姿になり果て、自死を懇願してきたため、勇者は「もう戦士の心は元に戻らない」と考え、望み通りに戦士を殺したそうです。

壊れていく魔法使い

次に、勇者は魔法使いの女性の話を始めました。

彼女は、魔法を使って大爆発を起こし辺り一帯を吹き飛ばしたり、巨大な炎を出し魔物を焼き尽くすことができる実力を持っていたと言います。

そんな魔法使いですが、どうやら戦士と相思相愛だったようで、戦士が自死を懇願した際は泣き叫んでいたそうです。

そして、戦士が死亡してからというもの、魔法使いの心は壊れてしまい、強力な毒や酸を呼び起こす魔法を積極的に使用し、向かってくる魔物たちをあえて残酷な方法で殺し続けるようになったとのこと。

また、勇者たちがある程度の知能を有する魔物たちの集落を訪れた際は、その集落を滅ぼすために毒の魔法を使用して魔物たちを殺し、悪魔的な表情を見せながら魔物の死体を刃物で切り刻んでいたと言います。

そんなある日の夜、魔法使いは勇者と僧侶が見ている中、流星群を見て人が変わったようにはしゃぎ回り、勇者と僧侶に対し「戦士にもこの景色を見せたかった」という意味の言葉を笑顔で口にしたそうです。

ですが、その次の日の朝、魔法使いは勇者たちが建てたキャンプのそばの切り立った崖の前に、1枚の紙と自身が愛用していた杖を置いて忽然と姿を消してしまいました。

勇者は、魔法使いの遺体を見ていないものの、彼女の生前の言動から「魔法使いは命を絶った可能性が高い」と考えているそうです。

なお、そんな勇者の話を聞いていた姫様は「置いてあった紙は魔法使いの遺書ではないか」と言い、紙の内容に興味を示しました。

そのため、勇者は「自分と僧侶は中身を見た」と話した上で紙を姫様に渡したのですが、その紙には形容しがたい不気味なイラストが赤い体液で描かれており、そのイラストを見た姫様は、悲鳴をあげ苦しそうに咳き込んでいます。

なお、勇者によると、現在は解除済みであるものの、かつてこの紙には激闘を潜り抜けてきた勇者さえも意識が削られるほど凶悪な呪いがかかっていたそうです。

僧侶の壮絶な自己犠牲

最後に、勇者は僧侶の女性とその最期について語りました。

戦士と魔法使いを失った後、勇者は僧侶を連れて魔王の城に侵入し、その城の中で僧侶と別行動を取っていました。

この時、勇者は魔王の側近と鉢合わせになってしまったため戦闘を行い、なんとか撃退することに成功したものの、勇者は指のかけら程度の肉片を残した状態で亡くなってしまったと言います。

その後、勇者の元に駆けつけた僧侶が勇者の蘇生を試みたのですが、勇者いわく、蘇生を成功させるためには、周囲の魔物に自身の存在がバレてしまうほど巨大な結界を張る必要がある上に、最低でも、蘇生対象者の3分の1程度の肉体を用意しなければならないとのこと。

そのため、通常ならば勇者を復活させることは不可能なのですが、僧侶は魔力を回復させる薬を大量に飲みながら自身の魔力をフル活用し、強引に勇者の蘇生を試みたそうです。

その結果、勇者は復活したものの、僧侶はその代償として「子供ぐらいの大きさのもぞもぞと動くピンクの肉塊」と形容される物体になり果ててしまいました。

その衝撃的な光景に唖然とする勇者でしたが、このとき肉塊は、回復魔法をひたすら使いながら未知の方法で勇者に対し

「『食え』」

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と語りかけてきたそうです。

勇者はその言葉に従い肉塊を平らげ、常に回復魔法をかけられているほぼ無敵の状態を獲得した状態で魔王を打ち倒したとのことです。

僧侶の願いと結末

こうした話を終えた後、勇者は王様たちに対し、生前の僧侶は魔法使いを失ったあと次のような願いを口にしていたことを明かしました。

「『もう二度と、勇者も、勇者の仲間も現れない世界にしてください』」

https://ncode.syosetu.com/n3065fd/4/

この時王様は、「この願いは魔王を倒してほしいという意味で言ったのではないか?」と自身の考えを言いました。

しかし、勇者はこの言葉を「魔王を倒せという意味ではなく、僧侶はそもそも勇者という存在が必要とされない世界を望んだのだろう」と解釈しました。

それから、物語内で長い時間が経過します。

物語の舞台は、魔物たちが暮らす小さな農村へと移ります。

そこでは、人間は魔物たちを襲う凶暴な存在として語られており、ある老いた魔物は、いつか「人間の魔王」、即ち3人の仲間を犠牲にしながら魔王を倒した「元勇者」を討伐してくれる魔物が現れることを願っていました。

そして、物語の場面は元勇者を討伐しようと行動する魔物の青年と元勇者が対峙する謎の場所に切り替わります。

この際、元勇者は魔物の青年にこう語りかけました。

「俺は失敗した。次は……お前の番だ」

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最後に

ありつむぎ
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内容は以上です。ここまで読んでいただきありがとうございました。
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