※この記事は、掲載している情報を知ってもらうために制作したものであり、犯罪を推奨しているコンテンツではありません。風習を愚弄したり死者を冒涜したりする意図も一切ありません。
※一部過激な表現が含まれているのでご注意ください。
どうも、ありつむぎです。
今回は日本などで行われている不思議な風習1つと世界の変わった葬式を6つ取り上げていきます。
アイキャッチ画像は、投稿者が鳥葬をイメージしつつ複数のフリー素材を組み合わせて作ったものとなっています。
洗骨
洗骨(せんこつ)は、洗骨葬とも呼ばれる、日本の一部の島の他、東南アジアやアフリカなどで行われている風習です。沖縄県では洗骨をシンクチと呼び、奄美群島ではカイソウと呼称しています。
この風習は、土葬などを行い数年が経過して白骨化した遺体を掘り起こし、海水や酒を使って洗い清めることを指します。
そして、沖縄県の洗骨の場合、遺族や故人関係者が集まってお香を焚いた後、男性が土葬された遺体が入っている棺を掘り起こします。それから、親族の女性が棺のふたを開けて酒、水、海水などを使って洗うのです。
その後、遺体を甕の中に入れて供え物を添えて再度埋葬することで終了します。
こうした風習の意図として、洗う前の遺骨は穢れており、洗うことでようやく神や仏の前に出ることができるという考えが関係しています。埋葬するだけでは神聖な存在にはなれず、子孫に災いをもたらす危険な存在になってしまうとも考えられていたようです。
また、鹿児島県における洗骨が行われるようになった経緯として、明治時代に入り、これまで行っていた風葬(ふうそう)が禁止されて死体遺棄罪に問うとしたことが関係しています。
これは、死体を埋葬せずに風雨にさらして自然に還す方法ですが、詳しい説明は別の項目で行います。
そんな風葬の禁止を受けて、土葬してから洗骨するという形式を取るようになったとのこと。
戦後は火葬の普及などによって、沖縄本島で洗骨が消滅したとされています。
ただし、与論島(じま)や粟国島(あぐにじま)を含む一部の島では、この風習が根強く残っており、自身の死後に洗骨されることを望む高齢者も多いとのことです。
なお、最初に書いた通り海外でも洗骨は行われていますが、その理由は、洗骨を受けた死者は子孫に幸福と豊穣をもたらす霊となると信じられているからだそうです。
ダンス葬
ダンス葬は、ガーナで行われている葬儀の1つです。
その方法は、1つの棺桶の四隅を4人の男性が肩に背負い、賑やかな曲に合わせてステップを踏むというものとなっています。そして、周囲の人々もそんな男性たちと同じように踊り狂います。
こうした葬儀が行われている理由として、ガーナを含む西アフリカでは平均寿命を超えた死はめでたいもので、死後の新しい人生の始まりであると考えられていることが関係しています。
葬儀当時の陽気な曲やダンスは、新たな⼈⽣を得た故⼈を祝福する⼤事な儀式と考えられています。そのため、参加者たちも祭りのように賑やかに振舞うことになります。
喪服にも意味合いがあり、⾚は故⼈を失ったことに対する怒り、⿊は故⼈の死後の世界に対する希望、⽩は残された⼈々の悲しみの克服を意味しています。
そうした死生観があることから、日本で見られる厳かな葬儀とは打って変わり、こうした一風変わった葬儀が執り行われているということです。
決して故人を侮辱しているわけではありません。
なお、ダンス葬はかつてネット上において棺桶ダンスとも呼ばれており、その様子を収めた動画が一時期大ブームを引き起こしていました。
誤解のないように言っておくと、ダンス葬はガーナの葬儀の中でも異色な葬式に区分されます。
拡散されている動画の棺桶内の故人はダンスが好きだったとのこと。その故人を祝福するためにダンス葬を執り行ったそうです。
なお、葬儀のためには準備期間と莫大な費用が欠かせません。
ガーナの人の平均年収は日本円でおよそ15万円とのことですが、一般人の葬儀であっても約20万円が使用され、村長のような格の高い人の場合は約50万円もの費用がかかります。
水葬
水葬(すいそう)は、インドやチベットなどで行われている葬儀の名称です。
その方法は、遺体、遺骨、遺灰などを海、川、湖などに葬るというものとなっていて、インドにおいては、遺体を一旦火葬場で火葬してから葬式を行い、ガンジス川に骨をそっと流すことになります。
ヒンドゥー教、もしくはヒンズー教とも呼ばれる宗教の儀式として執り行われます。
水葬を行うと生前の罪が洗い流されて困難な輪廻を繰り返すことなく悟りの境地に達すると考えられているようです。
ただし、火葬費用を支払うことができない貧困者などはそのまま遺体を流すようです。
また、チベットでも水葬が行われています。
アメリカの15の州では、遺体の大部分を液体にして葬る方法が法的に認められています。これも水葬の1つです。
アメリカでは、環境問題への配慮や墓地の確保が困難であるという理由から水葬が選ばれるとのこと。
なお、かつては日本でも大々的に水葬が行われていましたが、現在は法律に抵触します。
遺灰を海に撒く海洋散骨、いわゆる自然葬は可能であるものの、これにも厳しいルールがあります。
場合によっては違法になります。
例えば、海水浴場、観光地となっている海岸、漁場、養殖場付近での散骨は不可能です。罰則が設けられている場所もあります。さらに、遺骨を1ミリから2ミリ程度に粉砕する必要もあります。
そのため、海洋散骨をする場合は事前に入念な下調べを行うことが必要です。
風葬
風葬(ふうそう)は、曝葬(ばくそう)や空葬(くうそう)とも呼ばれている葬儀方法の1つです。インドネシアのバリ島、チベット、モンゴルなどで行われています。
かつてはオーストラリアや北アメリカ、東南アジアの他、日本でも行われていました。
その方法は、埋葬したり火葬することなく外気にさらして時間経過とともに消滅させることとなっています。木の上や洞窟内の他、専用の棺や小屋などに安置したりして自然消滅することを待ち続けることになります。
遺体には衣服を着用させるパターンが多々見られたようです。
風葬を行う意図として、埋葬や火葬する場所がないという理由や、亡くなった人を自然に戻すという民間信仰が関係しています。
インドネシアのボルネオ島のイバン族の場合、その大多数は土葬される一方で、優秀な指導者が亡くなった時は例外的に風葬を行います。この風葬はルンボン葬と呼ばれます。
行う理由として、尊敬できる指導者は風葬により神になって地域の人々を守ってくれると考えられているからです。
なお、風葬はチベットやモンゴルでも行われていると序盤に書きましたが、これは厳密に言うと、後述する鳥葬(ちょうそう)の要素も含まれています。
日本について、過去の京都ではチベットやモンゴルと同様の方法で死者を葬っていたようです。ただし、現在は火葬が一般的です。奄美群島や沖縄県では、1970年代まで風葬と洗骨が幅広く執り行われていたとのことです。
鳥葬
鳥葬(ちょうそう)は、チベットやインドのゾロアスター教徒の間で行われている葬儀方法の1つです。
その方法は、野山や岩の上などに遺体を置いて肉食の鳥類に遺体を葬らせるというものとなっています。
肉食の鳥類に遺体を確実に処理してもらうように遺体を解体します。
こうすることで、血のにおいが漂って鳥に感づかれやすくなるため、食べ残しを極力まで抑えることが期待できるようです。
ゾロアスター教においては、円筒状の塔の上に遺体を置いて鳥類についばませる手法を取っています。そして、最終的に骨のみになることがベストだと言われています。
こうした葬儀が行われる意図として、チベット仏教において、遺体は魂の抜けた物体に過ぎないと考えられており、その遺体を天へと送るために鳥葬を行うようです。
さらに、チベット仏教では死後間もない遺体には故人の魂が肉体に残っていると考えられています。そのため、いきなり鳥葬をするのではなく魂を抜くために僧侶が読経をします。
その後、遺体を鳥葬台へと移すことになります。
チベット仏教では輪廻転生強く信じられており、「死とは服を着替えるようなもので、魂は生まれ変わって永遠に継続する」とされています。
鳥葬が定着した理由として、チベット高地では樹木が育ちにくいため火葬が困難だったことや、寒冷地のチベットにおいては土が固くて掘ることが難しい上に、微生物による分解が完全に行われず土葬も難しかったことが挙げられます、
ちなみに、チベットにて全員が鳥葬で葬られるわけではありません。
罪人は土葬を行い、位の高い人は火葬を行うことが決まっているようです。貧しい地域では遺体を解体してから水葬をするようです。
ゾロアスター教では、火を善の神の象徴として崇拝していることがあります。
さらに、遺体には悪魔が宿るという考え方があり、火葬をおこなうと悪魔によって火が穢されると信じられています。
そのため、火葬は行われません。
この宗教において穢れた遺体を火にさらす行為は最大のタブーと信じられているのです。
こうしたことから、遺体は自然の中に放置され、結果として鳥が食べるという形になったようです。226年から651年のイランのゾロアスター教社会では、遺体を道端に放置してハゲワシに捕食させる方法が取られていました。
もしくは、日光で骨になるまで乾燥させた後、円筒状の塔の上に置いて風葬していたようです。
現在も、鳥葬はチベットの一部地域やゾロアスター教の教徒において執り行われているとのこと。
なお、鳥葬について、多くの生命を食べながら生きてきた人間が、死後に自身の肉体を他の生命のために布施しようという思想もあります。
かつての日本の一部地域では、故人の望みによって鳥葬が行われたことがあったようです。
ただし、現在の日本などの禁止されている国で鳥葬を行った場合は死体損壊罪に抵触します。
獣葬
獣葬(じゅうそう)は、アフリカのケニアやタンザニアに住むマサイ族の間で行われている葬儀方法です。
その方法は、死が近い人や遺体をサバンナの真ん中に放置するというものです。
さらに、そんな人や遺体に大量の血液や脂肪を付着させて動物の気を引くように工夫します。
するとどうなるか。
肉食の野生動物が現れてその血肉を貪ります。
獣葬の意図として、生命の力を自然に帰すということがあります。前述した動物の気を引く工夫を施す理由は、遺体の食べ残しがあることは不吉だと信じられているからです。
さらに、こうした考えも獣葬が行われていることに関係しています。
人間は自然から食べ物をわけてもらい生きている。だから、死ぬ時はハイエナなどに食べてもらい、そのエネルギーを自然に返すのが道理である。
なお、墓を作ることもあるのですが、この場合は地位の高い人に限られています。
ただし、現在はキリスト教やイスラム教の布教に伴い、獣葬を行うマサイ族は減少傾向にあるようです。
食人葬
食人葬(しょくじんそう)は、南太平洋の島国パプアニューギニアを含むごく一部の地域で行われていた葬儀方法です。
その方法は、その名の通り遺体を食べるというシンプルなものとなっています。
例として、パプアニューギニアの少数民族のフォレ族では食人葬が行われていました。
遺体のうち男性は筋肉を食べて、女性は脳と腸を食すのが習わしだったようです。
この意図として、近親者が再び生きた人間の一部となって村に存在し続けると信じられていたことが挙げられます。
ですが、食人行為によってタンパク質からなる感染性因子のプリオンが摂取されてクールー病という死に至る病が流行する事態に発展しています。
2021年現在は、フォレ族から食人習慣が失われておよそ60年が経過しており、フォレ族からクールー病は根絶されました。
また、食人葬の他の意図として、対象の肉を摂取することで自らに特別な効果や力、または栄誉が得られると信じられている場合や、死者の魂を受け継ぐという儀式的意味合いがあるという考えもあります。
すべての肉体を土葬や火葬で弔ってしまうと現世に何も残らなくなるため、これを惜しむ気持ちゆえに食人葬を行っていたという見方もできるようです。
最後に
以上で解説を終了します。
ここまで読んでいただきありがとうございました。