このブログでは、Among the Sleep(アマングザスリープ)の考察について書いていきます。アモングじゃなくてアマングです。
ネタバレを含むため、お読みになる際は注意してくださいね。
考察の前に
考察に入る前に、まずはこのゲームの大まかな流れのおさらいとストーリーのネタバレを解説します。
最初は、主人公の2歳の子どもの誕生日から始まります。

この子どもが、母親お手製のケーキを食べながら和やかな時間を送っていると、ある人物からプレゼントが届きました。
それはクマのぬいぐるみでした。

クマのぬいぐるみは、自分のことを【テディ】と名乗り、主人公と一緒に遊びます。ピンクの象のオモチャを探したり本を読んだり、はたまたクローゼットの中に隠れたりと色んな遊びをしました。
その後、母親に寝かし付けられますが、目を覚ますとテディがそばにいないことに気が付きます。
彼を洗濯機の中から助け出し、テディに言われるがまま母親の記憶を求めて、異空間を旅をすることに。
黒い化け物から逃げながら数々のパズルを解いて、ペンダント、オルゴール、本、ピンクの象を集めて進んだ先には、母親の本当の姿がありました。
アルコールに溺れ、我が子に日常的に暴力を振るっている本当の姿が。

現実に戻って台所に向かうと、そこには片腕を千切られたテディを片手に、アルコールに酔って憔悴している母親いました。


近づくと突き飛ばされ、その行動による自己嫌悪に走っている母親から離れて玄関に向かうと、外から優しい男性の声がしました。
そして、物語は幕を閉じます。
考察について
ここからは、個人的な考えを述べていきます。
この物語は、母親の本当の気持ちを知りたいという、主人公の欲求が元になっていると考えられます。
ケーキを食べさせてくれる優しい母親と、近づいただけで突き飛ばしてくる暴力的な二面性を持つ母親。
主人公は、自分の母の考えていることが知りたいと考えたのでしょう。
そして、主人公は自身の夢の中で、冒険の舞台である異空間を生み出し、そこを踏破することで母親の思いが分かると考えたと、投稿者はそのように予想しています。

喋るクマのぬいぐるみ、母親のアクセサリーや思い出がキーとなっている扉などは、主人公が生み出した異空間だからこそ成り立っていると考えるのが自然なのかもしれません。

異空間に向かう前に遊んでいたクマは、あくまで主人公にしか見えない空想の存在、いわゆるイマジナリーフレンドであると考えられます。幼少期の人間は、自分の中で空想の友達を作り上げてそれと遊ぶことが多々あるそうです。
そして、記憶を紡いでいるうちに、母親はアルコールに依存しており、自分に暴力をふるっていることが明らかになってしまいます。主人公にとって知りたくなかった事実だと思います。
異空間で見られたアルコール類や、途中で見られる「もう1杯だけ…」というセリフ、現実に戻った時に脇に転がしていたワイングラスなどがそれを証明しています。

母親が主人公に日常的に暴力を振るっていたことについては、主人公が書いたと思しき絵がそれを物語っています。
1枚は優しい母親。2枚目はベッドを横転させる怖い母親を表していると考えられます。


では、以下よりこのゲームの個々の要素について考察していきます。
化け物について
異空間を冒険した時、何度も黒い化け物と遭遇していました。主人公を狙う恐ろしい存在でした。

この化け物は、暴力的な母親の姿を表していると考えられます。
ストーリー内のスポットライトで照らされる場所を進んでいると、母親の声と共に例の化け物の姿が映ることが確認出来ます。これは、化け物と母親が同一人物であるということを表現するための演出ではないかと思います。
恐ろしい姿をしていたのは、主人公の目には暴力的な母親があのように見えてしまっていたからだと推測できます。まさしく恐怖の対象だったのでしょう。
また、化け物が近くにいた際には画面が激しく乱れ、母親に突き飛ばされた時にも同様に画面が乱れたため、これもまた同じ存在であるとの根拠と言えます。

クマについて
クマのテディは、常に主人公の味方で友好的な存在でした。
序盤では、進むべき道やアイテムの使い方について教えてくれる、非常に親切な相棒でした。主人公もまたテディを信用して一緒に冒険をしました。
このクマは、主人公にとって最も信用出来る誰かを投影した存在であると思います。
それは恐らく、クマをプレゼントとして持ってきてくれた人物、即ち父親でしょう。
というのも、ゲームのラストシーンにて登場した父親と思しき男性の声とクマの声が同じだったのです。
クマと一緒に遊んだのも、過去に父親に同様に遊んでもらったことを覚えていたからではないかと考えられます。

恐らく、主人公の父親と母親は、離婚もしくは別居していたのでしょう。しかし、父親は主人公を愛しており、主人公もまた父親のことが好きだったのでしょう。
その一方的で、母親は自分の夫を嫌っていたことが分かります。
その証拠に、母親がクマのぬいぐるみを引き千切っている描写があります。
ストーリーの後半で見られる、スポットライトの灯る広い場所で降っていた白い物体ですが、あれはぬいぐるみの綿であると考えられます。形状が綿と似ていますし、降ってくるとしたらそれ以外には考えられません。

加えて、主人公からぬいぐるみを奪って片腕を引き千切りました。つまり、母親はぬいぐるみの送り主を酷く憎んでいたということでしょう。
ラストについて
ストーリーの最後は、主人公の父親と思しき男性が訪ねてきて終わっています。
その後については語られていませんが、きっと今後の主人公は、父親と暮らすことになるのでしょう。
冒険を通して母親の本当の気持ちを知ってしまった以上、もう主人公には母親と暮らす理由がありませんし、最も信用している父親と一緒にいた方が幸せなはずですから。
最後に
以上が、Among the Sleepの考察でした。
ここまで読んでいただきありがとうございました。