このブログでは、「その赤い瞳」という題名のゲームを考察していきます。
ネタバレを含むため、お読みになる際は注意してくださいね。
物語について
物語の大まかな流れについて書いていきます。
1日目
会社に勤めて3年の独身サラリーマンが、仕事帰りに通りかかった公園で赤い目のウサギを拾った。
アパートに連れて帰り、餌を与えたり名前を付けたりして可愛がった。
女性が亡くなるという不幸なニュースを見てため息をつきつつ、食事と仕事を済ませてシャワーを浴び、寝ようとした。
その時インターホンが鳴る。ドアを開けてみるが誰もいない。こどものイタズラだと考え、取り合うことなくその日は眠った。
2日目
仕事帰りにウサギ用のケージと餌を買って帰ってくる。
餌を与えてシャワーを浴びて戻ってくると、テレビ画面には砂嵐が広がり、テレビのコードがウサギに齧られていることに気がつく。
2回目のインターホン。ドアスコープを覗き、ドアを開けて確認するが、そこには誰もいない。
すると、隣りの部屋のおじさんが出てくる。
おじさんの話の中で、主人公が引っ越してくる前の部屋に住んでいた人達が出てくる。
1組のカップルで、毎日のようにケンカをしていたとのこと。
その後部屋に戻ろうとすると、再びインターホンが。
けれどこの時は、怖くてドアを開けることもスコープを覗くことも出来なかった。
3日目
異変が起き始める。電気が消えたり、水道が突然出たりする。
再びインターホンが鳴り、今度はドアを激しく叩く音がする。
ドアスコープを覗くと、そこには真っ赤な目がこちらを覗き込んでいた。
恐怖で体が動かなかったが、じきに立ち直り、部屋に戻った。
飼っているウサギもまた、こちらをジッと見つめていた。
4日目
過去に、今住んでいる部屋に何かあったのではないかと思った主人公は、不動産屋に電話をした。しかし、有力な情報は得られなかった。
これまでの異変は、拾ってきたウサギにあるのではないかと思うようになった。
インターホンが鳴る。
ドアに向かう。
ドアの周辺には赤錆のような何かが広がっており、異臭も漂っていた。
外には、人ではない何かがいるということを確信する。
突然背後に視線を感じた。
意を決して振り返ると、そこには飼っているウサギがいた。
5日目
ウサギを捕食する(?)悪夢から目を覚ます。
不思議な力によって部屋に閉じ込められてしまう。電話のような連絡手段も絶たれる。
6日目
ドア周辺の赤黒い汚れが濃くなり、部屋に広がりつつある。
7日目
電気と水道が止まるが、テレビの砂嵐は流れ続け、流血のような赤いシミも映っている。
8日目~9日目
空腹を覚え、疲れ果てる主人公。ドアを叩く音が次第に強くなっていく。
10日目
何かの侵食は徐々に強まっている。心に余裕がなくなっていくのを感じる。飼っているウサギを見て、食欲を覚える。
X日目
限界を感じ、ウサギを___
ENDについて
END1について
4日目の最後に視線を感じた時、ドアを開けて逃げることを選択した時に、何かに命を奪われるというBADENDです。
最短で見ることが出来ますが、何も謎が解決しないまま終わってしまいます。
END2について
X日目にウサギを抱き抱えてそれを食し、自ら命を絶つというENDです。
部屋に入った警察が、主人公と遺体とウサギの亡骸、押し入れからは、切断された女性の遺体を発見します。
その女性は2週間以上経過しており、腐敗が進んでいたとのこと。
これもBADENDです。これでは、主人公に全面的に非があると誤解されたまま終わってしまいます。
END3について
ウサギには不思議な力があり、これまでの怪異及び異変から守ってくれていたことを理解して、主人公がウサギのことを静かに撫でます。
その後、異変の根源である女性が、主人公とは異なる「タクミ」という名前を呟きながらテレビから這い出てきて襲いかかりますが、ウサギの放つ光によって守られます。
スタッフロールが終わると主人公は仰向けに部屋で倒れており、ウサギはいなくなっています。
テレビでは、1日目にて、亡くなったとニュースで取り上げられていた女性を✖した容疑として、その元交際相手もとい容疑者である「タクミ」という男が逮捕されたというニュースが流れます。
怪異から逃れた主人公。
しかし、人間の醜さに絶望した主人公は、ウサギを拾った公園にて自ら刃物で命を絶ちます。
他のENDと比べれば、唯一とも言えるまともなENDと言えます。
ウサギの正体について
ウサギは、主人公を守るために誰かが送った未知の存在であると考えられます。
3日目にて、ドアスコープを覗いていた赤い瞳はウサギのものであり、その不思議な力で主人公を怪異から守ってくれていた善良な存在であると、物語中に説明されています。
ウサギは、怪異から人を守ってその命を助ける救世主のような存在と言えます。
そのため、異変の原因はウサギにないどころか、ウサギを連れて帰ろうがそうでなかろうが異変は発生していたでしょう。
異変に巻き込まれて、それでも助かったのはウサギがいたからです。
後述しますが、異変の原因はタクミに✖された女性の単純な恨みです。その憎しみが、このゲーム内における怪異をもたらしたのです。
また、4日目のラストにて感じた視線は紛れもなくウサギのものであり、外に出た途端に✖されたのは、その女性の攻撃を受けたからでしょう。
しかし、主人公がウサギを拾ったのは偶然なのか、もしくは、これから起こる異変を察知して別の何かが必然的にそうさせたのかについては不明です。
考察について
この物語は、かつて部屋で✖された女性が、主人公をタクミと勘違いしていたために起こった出来事だと考えられます。
主人公は、過去にカップルが同棲していた部屋に引っ越してきました。
2日目にて聞ける、隣の部屋のオジサンの、ケンカばかりしていたカップルが以前住んでいたという話から明らかです。
それと同時に、その部屋は女性が亡くなった場所であり、女性の命を奪った男は遺体をバラして部屋の押し入れに入れて隠したのでしょう。だからこそ、部屋に女性は現れた。
主人公は、遺体の存在に気付かなかったのでそのまま放置されていたと考えられます。
なので、END2にて女性の遺体が主人公の部屋から発見されたのだと思われます。
そして、インターホンを鳴らしたり、ドアを叩いたり電気や水道を止めたり、赤黒い瘴気を放ちつつ部屋に閉じ込めるたりするという異変を起こしていたのは、✖されたことに対する怨念を募らせていた女性の魂です。
女性が主人公を襲ったのは、タクミという男と同一人物であると思い込んでいたためでしょう。
最後は、ウサギが身を呈して女性を消し去り、主人公は助かったということです。
最後に
以上が、「その赤い瞳」の考察についてでした。
以下よりダウンロード出来ます。興味を持たれた方や、もう一度やってみたいと思った方はどうぞ。