Deltarune(デルタルーン)。
Undertaleに続くTobyFox氏の作品です。
クリスという人間と、スージィ、ラルセイと呼ばれるモンスターの3人が、暗黒の世界を旅して世界に平和を取り戻すという、オーソドックスかつ王道を征くストーリーが展開されています。
ほぼ全てのモンスターと仲良く出来る他、1度も攻撃をせずにクリア出来る点はTobyFox氏の作品ならではです。
なお、現在公開されているCHAPTER1においてはPルート、Gルートといったルート分岐は存在しません。
いくら敵を倒してもEXPは貯まりませんし、どれほど倒しても僅かにEDが変化する程度に留まっています。
さて。
今回は、そんな今作におけるストーリーや、クリス、ラルセイ、ジェビルなどのキャラクター達の考察をしていきます。
目次
クリスの正体とラストシーンの考察
ストーリーの考察に入る前に、まずはクリスという主人公と思しきキャラクターについて考えていきます。
クリスは、トリエルとアズゴアの子どもであり、アズリエルとは兄弟の関係にあります。街で暮らす唯一の人間(と思われる)でもあり、学校に通う子供でもあります。
性別は不明です。
城から吹き出す暗黒の泉を止める力を持っており、物語においては勇者という立ち位置にいます。
そんなクリスですが、CHAPTER1のラストシーンにて衝撃的な行動に走ります。
自らのソウルを抉りだして近くのカゴに投げ入れると、ナイフを手に不気味に笑うというシーンです。
取り出したソウルは実は自由に動かせます。不思議ですね。
これらの演出は、クリスは【何者かによって操作されていた】という事実を意味していると考えられます。
クリスの体に内在するソウルは、彼(彼女)の意思で動かしていたのではなくて、他の誰かが動かしていたとみられます。カゴの中のソウルを動かせたのはそのためです。
ラルセイにハグしたり、コケを食べたり手枷をはめたりしたのは、クリス以外の他の誰かの意思によるものということでしょう。
その支配から脱却するように、クリスは自分の体からソウルを取り出した。
その後、クリスの本性を見せるがごとくナイフを取り出しニヤリと笑ったのです。
では、クリスを操作していたのは誰なのか?
キャラやフリスクといった様々な説が生み出されていますが、僕は【ゲームをしているプレイヤー本人】であると考えています。
彼(彼女)の行動はプレイヤーに依存しており、プレイヤーの気分によって敵を叩いたり仲良くしたりと自由にクリスを操作出来ます。
ラストシーンで睨んだ先は画面です。画面の前に座っている、プレイヤーに対する怒りを顕にしたのでしょう。
つまりクリスは、一般的な人間であったものの、ゲーム開始と同時にプレイヤーに意志を乗っ取られてしまった被害者であると考えられます。
街の住民達によれば、彼(彼女)はやんちゃであるらしく、その割にはゲーム内においてあまり喋らないというのは違和感があります。
DeltaruneとUndertaleの繋がりについて
DeltaruneとUndertale。この2つの世界の繋がりについてですが、結論から言うと一切繋がっていないと僕は考えています。
アンダインがアルフィーの存在を知らなかったり、パピルスが引きこもっていたりしたのもそれが理由でしょう。
Deltaruneが過去の話というのも考えにくいです。
Undertaleのトリエルは、フリスクに対して【教師になるのが夢だった】と語っていました。
そして、Deltaruneにおけるトリエルの職業は教師です。過去に教師になっていたのならば、Undertaleにおいて【夢だった】というセリフを吐くのは違和感があります。
つまり、キャラクターや性格、見た目は似ていても全くの赤の他人であると考えられます。
アズリエルが大学生として生きているのもそのためでしょう。
サンズと真の主人公について
なお、サンズに出会った時に【会えて嬉しい】というセリフを言うことが出来ます。
しかし、サンズは【お前とは出会ったばかり】と返答します。ここで言うお前とは、発言者であるクリスのことを指していると考えられます。
クリスはサンズのことを知っていて、サンズはクリスのことを知らなかった。
そう考えるのは何だか引っかかります。
そもそもクリスは、ゲーム開始から言動の全てをプレイヤーによって掌握されているとされています。言葉も行動も、全てプレイヤーの意のままです。
ならば、選択肢に表示されたセリフはクリスの意思とは異なるということになります。
【会えて嬉しい】
このセリフは【プレイヤーの意思】によるものではないでしょうか?
TobyFox氏は言っていました。DeltaruneはUndertaleをプレイしてから遊んでほしいと。
Undertaleをプレイしていれば、そこに出てくるモンスター達を知ることになり、愛着も湧きます。
そのことを踏まえてDeltaruneをプレイし、サンズに会えた時の喜びは果てしないものでしょう。
つまり、サンズに話しかけてから出たセリフは、プレイヤーの気持ちが反映されたものであると考えられます。
このことからクリスは、あくまでプレイヤーの傀儡であり、このゲームの本当の主人公は【プレイヤー本人】と考えるのが自然でしょう。
また、アンダインに話しかけた際に【アルフィー】という選択肢が出てきたのもそのためではないでしょうか?
ラルセイの正体と考察
ラルセイはダークナーの王子であり、外の世界からきたクリスやスージィを導く役目を持っているキャラクターです。
このキャラクターの正体について、幾つか考えられます。
過去のトリエル
1つは、若い頃のトリエルという説です。
まず、このキャラクターとトリエルには共通点があります。
- お菓子を焼くことが得意
- メガネをかけている
DeltaruneやUndertaleと共に、トリエルはパイを焼くことを得意としています。帰宅すると、トリエルお手製のバタースコッチシナモンパイが焼きあがっています。
ラルセイは、ケーキを焼くことを得意としています。物語の途中でも、何度かそのような話をしていました。
そして、キングを倒して別れを告げるシーンにて、ラルセイが仮面を外しました。
その見た目はトリエル、アズリエルとよく似ており、さらにはどことなく女性であるように見えます。
さらにはメガネをかけています。トリエルもメガネをかけており、ラルセイ、トリエルの共通点と言えます。
つまり暗黒の世界は過去の世界であり、クリスは過去のトリエルと共に旅をしていたことになります。
となると、この時のトリエルは【ラルセイ】という偽名を使っていたことになりますが、もしかしたら苗字を名乗っていたのかもしれません。
後にアズゴアと結婚して、【トリエル・ラルセイ】から【トリエル・ドリーマー】となった可能性があります。
息子のアズリエル【Asriel】という名前は、ラルセイ【Ralsei】から取ったのでしょう。
アズリエル本人
序盤にて、アズリエルは大学に通っているとされていますが、実は大学には行っておらず世界を救うために国を治めていた可能性があります。
Ralseiという名前を組み替えると、Asrielという名前になります。実名はバレたくないために偽名を使っていたのかもしれません。
なお、クリスが驚かなかったのは、前述の通りソウルを支配されていてリアクションを取ることすら出来なかったと考えられます。
スージィが驚いていたのは、2重に顔を隠していたことに対するものでしょう。
ローブの上に仮面を被っていたという事実にビックリしただけだと思います。彼女は単純な性格ですからね。
そうなると、あの暗黒の世界は別の世界、いわゆる異世界である可能性があります。
トリエル達の先祖
ラルセイはトリエル達の先祖という説もあります。
その証拠として、あの暗黒の世界には紋章が映っており、トリエル家にもその紋章が確認出来ます。
紋章は先祖代々伝わるモンスターの王国の象徴であり、Deltaruneの世界においてもそれが受け継がれているのでしょう。
なので、Ralseiという先祖の名を使い、トリエル達が息子にAsrielという名前を付けた可能性があります。名前が似ているのはそれが理由かもしれません。
この説が正しければ、暗黒の世界は過去の世界であると言えます。
これら3つが考えられますが、現時点においては不明です。chapter2で明らかになるかもしれません。
ガスターの痕跡と考察
謎の多いガスターですが、彼はDeltaruneの世界にも関与していると考えられます。
隠しボスであるジェビルにも関わっている可能性があります。
ジェビルは牢獄に閉じ込められています。何でも、【怪しい人物】と出会ってから狂い始めて、ヌイという名前の店主が王の命令によりジェビルを閉じ込めたそうです。
その怪しい人物というのは、ガスターであると僕は考えています。
暗黒の世界で長く生きてきたであろうヌイが【怪しい人物】と言うのですから、極めて異様な存在であったことは予想出来ます。
ライトナーでもダークナーでもない全く別の存在であり、クリスやスージィのような外の世界の来訪者でしょう。
ガスターの痕跡はあります。
暗黒の世界のとある場所を行き来することで訪れることの出来る場所でタマゴを渡してきたり、暗黒の世界で携帯を使用すると、彼を象徴する不気味な音が流れます。
タマゴを渡すことの意図は不明ですが、あの世界においてクリスに近づき、そのような怪しい行動を取る男はガスター以外には考えられません。
さらには、ゲームを始める前に器の名前を【ガスター】または【Gaster】と付けようとすると、強制的にリセットされてしまいます。
これらは、ガスター本人がDeltaruneの世界に関与していることの証拠と言えるでしょう。
つまりガスターは、UndertaleのみならずDeltaruneの世界にも関わっており、ジェビルに近づいた怪しい人物の正体はガスターであると考えられます。
ジェビルの言葉の考察
Deltaruneの隠しボスとして登場したジェビル。その圧倒的な強さから、何度も心が折れかけた方も多いと思います。
そんなジェビルを倒すと、あるセリフを聞くことが出来ます。
女王が戻ってくる。騎士の魔の手が迫っている。
今後、この世界が最悪な方向に向かうことを予言し、それをクリス達に話していると考えられます。
かつて、ジェビルと共に宮廷に仕えていたヌイの、世界はより暗くなるという言葉と合致しています。
これから暗黒の時代が到来して、何もかもが終わってしまうことを知っていたのでしょう。
それを食い止めるべく行動を取ろうとしたものの、王の命令によって閉じ込められてしまった。王に歯向かったことでヌイも失業したのでしょう。
では、なぜ王はジェビルを閉じ込めるように命令したのでしょうか?
ジェビルが狂ったからと言って、すぐに閉じ込めるというのは考えにくいです。
これは、ジェビルの強大な力を恐れ、それを封じ込めるために投獄に至ったと思われます。
騎士や女王を止めるほどの力を持っており、王の野望が打ち砕かれてしまうことへの懸念によってジェビルを封じ込めて、同等の力を持っているであろうヌイを解任したと考えられます。
最後に
以上が、Deltaruneにおける考察でした。
このブログに書かれている考察こそが正解というわけではありません。あくまで参考程度に留めて、鵜呑みにしないでくださいね。
それではまた次回のブログでお会いしましょう。